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接客業務従事者へのクレーム防止対策は
2018/01/30(Tue)
 1月30日 (火)

 昨年12月21日、連合は 「消費者行動に関する実態調査」 結果を発表しました。
 調査に至る問題意識です。
「接客業において、商品やサービスに瑕疵があった場合、消費者による苦情 (クレーム) や改善要求は健全な消費活動の実現のためにも必要な行為であり、事業者にとっても新商品開発やサービス向上につながる側面もあるため積極的に受け止めるべきものです。しかし近年、暴言などの行き過ぎたクレーム、暴力や長時間拘束などの迷惑行為によって、労働者が精神的なストレスを抱えていることが課題となっており、その対策が求められています。」
 調査は民間調査機関の協力で、2017年11月13日~11月14日の2日間、インターネットリサーチにより実施し、全国の15歳~69歳の男女2,000名 (一般消費者 (接客業務に従事していない人) 1,000名、接客業務従事者1,000名) の有効サンプルを集計しました。

 同じような調査は、UAゼンセン同盟流通部門が、昨年11月16日、「悪質クレーム対策 (迷惑行為) アンケート調査結果 ~サービスする側、受ける側が共に尊重される社会をめざして~」 の速報版を公表しました。(17年11月22日 「活動報告」)
 それに先立ち9月には 『悪質クレームの定義とその対応に関するガイドライン』 を策定し発表しました。(17年10月6日 「活動報告」)
 UAゼンセン同盟流通部門の調査は組織内組合員に対する調査です。
 質問内容は似ていますが、今回の連合の 「消費者行動に関する実態調査」 はゼンセン以外の接客業に従事している労働者も含まれています 


 「消費者行動に関する実態調査」 のなかから見えてきたこととして
 ・消費者からの迷惑行為 接客業務従事者の半数以上が 「受けたことがある」 一般消費者の
  約6割が接客業務従事者への迷惑行為を見聞きした経験あり
 ・他の消費者の迷惑行為 一般消費者の8割以上が 「不愉快」
 ・勤務先で 「迷惑行為に関するマニュアル作成や教育を行っていない」 約6割
 ・消費者の迷惑行為をなくすために必要なこと  1位 「消費者への啓発活動」
などがあげられています。

 そのなかからいくつかを紹介します。
 接客業務従事者が、勤務先で消費者から受けたことがある迷惑行為について聞いています。
 「暴言を吐く」 33.1%が最も多く、「威嚇・脅迫的な態度を取る」 28.5%、「説教など、権威的な態度をとる」 19.2%、 「何回も同じクレーム内容を執拗に繰り返す」 16.7%、「従業員を長時間拘束する」 10.4%が続きます。さらに 「セクハラ行為をする」 3.5%や 「暴力を振るう」 3.3%、「SNS・インターネット上で誹謗中傷する」 2.3%、「土下座を強要する」 1.7%もあります。
 雇用形態別にみると、いずれかの迷惑行為を受けたことがある人の割合は、正規雇用64.3%、非正規雇用55.5%です。
 正規雇用と非正規雇用で差が大きいのは、「暴言を吐く」 が正規雇用37.3%、非正規雇用32.5%、「威嚇・脅迫的な態度を取る」 が正規雇用34.3%、非正規雇用26.2%、「何回も同じクレーム内容を執拗に繰り返す」 が正規雇用20.2%、非正規雇用15.3%などです。

 業種別に、いずれかの迷惑行為を受けたことがある人の割合をみると、「公務」 が最も高く79.4%、次いで 「情報 通信」 69.6%、「運輸・郵便」 66.7%、「金融・保険」 61.9%、「小売」 59.4%、「医療・福祉」 55.4%の順です。
 受けたことがある迷惑行為については、公務は、「暴言を吐く」 58.8%、「威嚇・脅迫的な態度を取る」 55.9%、「説教など、権威的な態度をとる」 38.2%、「何回も同じクレーム内容を執拗に繰り返す」 38.2%、「従業員を長時間拘束する」 32.4%で、いずれも他の業種より高くなりました。
 他の業種で目立つのは、「運輸・郵便」 「情報 通信」 で 「暴言を吐く」 が38.1%、37.0%、「金融・保険」 で 「威嚇・脅迫的な態度を取る」 45.2%、「従業員を長時間拘束する」 16.7%などです。

 迷惑行為を受けたことがある人に、それぞれどのように対応したかを聞いています。
 「暴言」 については、「丁重に謝罪した」 47.4%、「対応できる内容と、できない内容をはっきり説明した」 38.4%、「上司に対応してもらった」 27.8%、「毅然と対応し、応じられない要求は断った」 25.4%、「複数で対応に当たった」 15.4%です。
 「威嚇・脅迫的な態度」 については、「丁重に謝罪した」 44.2%、「対応できる内容と、できない内容をはっきり説明した」 37.5%、「毅然と対応し、応じられない要求は断った」 34.0%、「上司に対応してもらった」 31.6%、「複数で対応に当たった」 16.5%です。
 「説教など、権威的な態度」 については、「丁重に謝罪した」 43.2%、「対応できる内容と、できない内容をはっきり説明した」 41.7%、「上司に対応してもらった」 34.9%、「毅然と対応し、応じられない要求は断った」 34.4%、「複数で対応に当たった」 21.4%です。
 「同じクレームの執拗な繰り返し」 については、「対応できる内容と、できない内容をはっきり説明した」 50.9%、「丁重に謝罪した」 38.9%、「上司に対応してもらった」 34.7%、「毅然と対応し、応じられない要求は断った」 29.9%、「複数で対応に当たった」 20.4%です。
 「従業員の長時間拘束」 については、「対応できる内容と、できない内容をはっきり説明した」 47.1%、「毅然と対応し、応じられない要求は断った」 39.4%、「上司に対応してもらった」 37.5%、「丁重に謝罪した」 33.7%、「複数で対応に当たった」 26.9%です。
 それぞれで対応が違っています。「暴言」 「威嚇・脅迫的な態度」 「説教など、権威的な態度」 では 「丁寧に謝罪した」 が最多ですが、「同じクレームの執拗な繰り返し」 「従業員の長時間拘束」 では 「対応できる内容と、できない内容をはっきり説明した」 が最多です。
 消費者に迎合するだけではない対応をしています。

 消費者から迷惑行為を受けたことがある人に、迷惑行為は解決したかを聞いています。
 「解決した」 と回答した人の割合を迷惑行為別にみると、「金品の要求」 が86.8%、「威嚇・脅迫的な態度」 が84.2%、「暴言」 が83.1%、「説教など、権威的な態度」 が82.%で続きました。他方、「セクハラ行為」 65.7%、「暴力」 63.6%です。
 しかし、解決内容については不明です。

 消費者から迷惑行為を受けたことがある人に、仕事で苦情やクレームを受けた経験は、日常生活に何か影響を及ぼすかと聞いています。
 「自分が消費者として店やサービスを利用するとき、同じようなクレームを言わないように心掛けた」 59.2%、逆に 「自分が消費者として店やサービスを利用するとき、同じようなクレームを言った」 8.3%です。


 接客業務従事者に、勤務先で、消費者の迷惑行為に関するマニュアル作成や教育などが実施されているかどうかを聞いています。
 「実施されている」 が42.9%、「実施されていない」 が57.1%です。
 業種別にみると、実施率が高いのは、「公務」 67.6%、「金融・保険」 59.5%です。続けて 「運輸・郵便」 45.2%、「生活関連サービス・娯楽」 43.4%、「医療・福祉」 42.9%、「情報通信」 41.3%の順です。
 「公務」 は、いずれかの迷惑行為を受けたことがある人の割合が高いですが、それが対応方法にもつながっているのでしょうか。

 勤務先に消費者の迷惑行為に関する悩みを誰に相談できるか聞いています。
 「上司」 54.2%が最も多く、「同僚・部下」 35.0%、「企業内カウンセラー」 5.6%と続きました。「相談で きる人はいない」 が29.4%でした。


 一般消費者に、他の消費者の迷惑行為を見聞きしたことがあるかを聞いています。
 いずれかの迷惑行為を見聞きしたことがある人の割合は58.4%になりました。
 具体的には、「暴言を吐く」 42.5%、「威嚇・脅迫的な態度を取る」 28.1%、「説教など、権威的な態度をとる」 19.1%、「何回も同じクレーム内容を執拗に繰り返す」 15.5%、「従業員を長時間拘束する」 11.9%などです。

 では消費者は、他の消費者が行う迷惑行為に対して、どのように感じているのかを聞きいています。
 「非常に不愉快」 66.9%、「やや不愉快」 17.7%でした。男女別に見ると、「不愉快 (計)」 は男性80.7%、女性88.3%でした。
接客業務従事者に対しても同じ質問を聞いています。
 「非常に不愉快」 68.3%、「やや不愉快」 17.3%でした。男女別に見ると、「不愉快 (計)」 は男性82.9%、女性88.3%でした。一般消費者と同程度の高さです。


 一般消費者に、消費者が店員・係員に対して迷惑行為を行うことは、近年増えていると思うかどうか聞いています。
 「増えている」 は48.9%、「減っている」 28.0%です。
 接客業務従事者にも、同じ質問をしました。
 「増えている」 は 56.4%、「減っている」 27.9%です。

 一般消費者に、消費者の迷惑行為が発生している原因は、どのようなことだと思うか聞きました。
 「消費者のモラルが低下した」 (58.5%) が最も多く、「(店員・係員は) ストレスのはけ口になりやすい」 (41.2%)、「SNS の普及で情報が拡散しやすくなった」 (34.9%)、「サービスに対する消費者の期待が過剰になった」 27.5%、「店頭スタッフやサービス業者の尊厳が低くみられている」 22.2%と続きます。
 接客業務従事者にも同じ質問をしました。
 「消費者のモラルが低下した」 65.7%が最も多く、「(店員・係員は) ストレスのはけ口になりやすい」 46.6%、「サービスに対する消費者の期待が過剰になった」 34.8%、「SNS の普及で情報が拡散しやすくなった」 27.1%、「店頭スタッフやサービス業者の尊厳が低くみられている」 26.7%と続きます。
 接客業務従事者は一般消費者と比べて消費者に問題があると捉えているようです。

 一般消費者に、店員・係員に対する消費者の迷惑行為をなくすためには、どのようなことが必要だと思うかを聞いています。
 「消費者への啓発活動」 が最も多く46.0%でした。続いて 「企業のクレーマー対策の教育」 42.0%、「法律による防止」 36.0%、「企業のマニュアル整備」 26.0%、「対応を円滑にする企業の組織体制の整備」 24.7%の順です。
 接客業務従事者にも同じ質問をしました。
 「消費者への啓発活動」 が最も多く49.5%、「企業のクレーマー対策の教育」 40.6%、「法律による防止」 37.3%、「企業のマニュアル整備」 32.5%、「対応を円滑にする企業の組織体制の整備」 26.7%の順です。
 「企業のマニュアル整備」 は、接客業務従事者の方が5.6%高くなっています。


 一般消費者に、店員・係員が、行き過ぎた苦情・クレームなどによって、うつ病を発症するケースがあることを知っていたかを聞きいています。
 「知っていた」 は 45.1%です。
 接客業務従事者にも、同じ質問をしました。
 「知っていた」 は58.7%です。
 接客業務従事者の方が危機感を持っています。


 今、厚労省は 「職場のパワハラスメント防止対策についての検討会」 を開催しています。
 検討会においては、いわゆる 「第三者からの暴力」 についても討論し、「報告書」 には具体的防止策として 「消費者への啓発活動」 「企業のクレーマー対策の教育」 「法律による防止」 「企業のマニュアル整備」 「対応を円滑にする企業の組織体制の整備」 への取り組みを働きかける内容になることを期待します。

   「活動報告」 2017.11.22
   「活動報告」 2017.10.6
  当センター「いじめメンタルヘルス労働者支援センター」ホームページ・ご相談はこちらから
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