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職場のいじめ防止対策の検討会で                                    委員が“職場の暴力”の議論を要請
2017/09/29(Fri)
 9月29日 (金)

 9月15日、全国労働安全衛生連絡会議は厚労省と交渉・意見交換を行いました。春に開催した交渉において時間の関係で深入りできなかった項目が中心です。
 交渉に向け事前に要求書を提出していました。いじめとメンタルヘルスに関する部分です。

 B.安全衛生について
1.職場のいじめ・嫌がらせパワーハラスメント対策
 【再質問事項】
 1.職場のいじめ・嫌がらせパワーハラスメント対策
 (1) 昨年8月26日の当センターとの交渉で厚労省は第三者からの被害について 「厚労省実
  態調査の調査項目は、……第三者からということでは、誰から被害を受けたかということにつ
  いても回答できるようになっています。その中から第三者のものについても掌握できると思い
  ます。」 と回答した。
   今回発表された実態調査のなかで、「行為者と被害者の関係」のなかの第三者・いわゆる
  行為者が職場外の者は「その他」に該当し77人いる。77人について関係性、内容、またそ
  の分析結果を明らかにすること。
 (2) 現在、世界的に職場外の者からの暴力について法律や通達、指針で対処していないの
  は先進国では日本くらいである。
   各職場において、いわゆる行為者が職場外の者からの暴力が頻発している。しかし 「職
  場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」 には職場外の者からの暴力は適用
  外になっている。
   実態調査などの具体的事例を 「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」
   の議題としで検討し、職場外の者からの暴力についても 「提言」 に盛り込むこと。
 (3) 現在、職場外の者からの暴力について、鉄道における暴力にたいする対応は国交相、
  地方公務員に対しては総務省、医療機関については厚労省など別々に対応している。
   労働者の職場の安全衛生、人格・尊厳という視点から、厚労省がイニシアティブをとって
  各省に働きかけ、問題意識を共有し、予防・解決を諮ることを視野に入れた調査を実施す
  ること。
 (4) 2016年4月より設置された雇用環境・均等部の相談対応実施状況について報告する
  こと。
 (5) 「提言」 に実効性を持たせるために職場のパワーハラスメント防止法制定にむけて取
  り組むこと。

 厚労省からの回答です。
 1、については、実態調査のなかに職場以外からの被害は77人いました。経営者、取引先または客からなどからの回答が含まれています。しかし、回答数が少なすぎるということと、詳細は自由記載になっていていろいろな表現があり分析するのが困難です。
 2、につきましては、「働きかた改革実行計画」 をふまえてこの5月に 「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」 を立ち上げ、現在、検討しているところです。すでに3回開催されています。第一回の検討会では委員から顧客からのハラスメントから労働者を守ることは無視できないという発言がありました。そういったことを踏まえて検討会で引き続き実効性のある防止対策について検討していくことになります。

 センター側からの意見です。
 1、外部からの暴力に関しては2012年に 「提言」 が出る前から関心を持っていました。なんで検討会の討論から外れるのか疑問があります。今回は委員の中からも大事だという意見が出たということですが、是非検討会で議論できるように資料提供をしてください。鉄道、病院、自治体職員などでは相当それぞれの管轄官庁が状況を把握されていますし、労働政策研修研究機構 (JILP) が出した個別紛争を分析した資料のなかでも相当具体的な事例が出てきていますので、あの中にどれだけ第三者の暴力が入っているかわかりませんが、そういう資料をきちんと取りまとめて委員の方々に提供してほしい。それがないと一般論で大変ですねで終わってしまいます。たしかに事業主が取引先や顧客に対して法的に対応できるかというと難しい面があると思いますが、なるだけ実効性を持つような資料を提供してほしい。

 厚労省からの回答です。
 検討会に資料を提出するかについては、その時々に合わせたものを出していきますので必ず出すという約束はできませんが実効ある防止対策にしていきたいと思います。

 センター側からの意見です。
 新聞で職場におけるいじめや嫌がらせなどに対し、政府が罰則を含めた法規制の検討に着手したと報道されましたがどうなっているのでしょうか。

 厚労省からの回答です。
 検討会では決まっていません。引き続き検討を重ねている段階です。

 センター側からの質問です。
 1、についてです。昨年の交渉の時に、この後この問題についても実態調査をするので、そこから分析ができる回答だったのでこの要求にしました。しかし今この議論をこれ以上しようありませんのでやめます。
 ただ被害を受けたのが77人ですが、見たり聞いたりしたというのが40数人います。それを合わせても少なくて分析は無理ということなのでしょうか。個人情報の問題もありますが、どういう立場の者から、そういう立場の者が受けたか、客からか、親会社からかの調査は出来るのではないかと思います。
 何故この問題をしつこく言うかというと、6年前の 「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」 の第1回検討会で、どういうことを議論していきたいかと委員1人にとりが発言した時に、使用者側代表の委員から客からの嫌がらせについては是非検討してほしいという要望が出されました。しかし 「提言」 には盛り込まれませんでした。
 今回5月19日から 「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」 が開催されています。第1回検討会は委員全員が意見を述べました。
 UAゼンセン日本介護クラフトユニオンの浜田委員です。
「介護の現場の、ヘルパーさんであるとかケアマネさんの労働組合です。……
また、概念とか定義からすると少し外れてはしまうのですが、現場ではパワハラだろうがセクハラだろうが、嫌なこと、困ったことなどいろいろな相談がくるのですが、その中には実は、特に流通とか介護の現場では多いのですが、顧客であるとか、利用者家族からのハラスメントも実は無視できない状態です。例えば、しばらく前に有名になりました、土下座をさせられるであるとか、大声で長時間叱責されることもあったり、介護現場では、家族の方からの叱責があったりであるとか、いろいろな問題があるのです。実は、相談を受ける側としては、やはり労働者を守るという意味では無視できない実態が実はあるのだということです。この一定程度進まないという部分を、これまでの取組の延長線上で現状を変えられるかということを考えますと、一定程度存在するパワハラ防止対策が進まない企業を、もう少しこの検討会では、今後の法整備に向けた、これまでよりもステップアップした対応についての議論が必要ではないかと考えております。」
 この思いをどう汲み取るのかが検討会の課題になると思います。
 6年前は使用者側から、今回は労働者側から同じ課題が出されたということは無視できないと思います。厚労省としてももう少し積極的な対応が必要ではないでしょうか。

 厚労省からの回答です。
 77名以外からもありましたが、自由記載で、どういうことなのか受け止め方が難しいものもあります。多かったのは経営者からで、取引先からは77人中10人程度だったと思います。それを分析するのはプライバシーの問題を含めて困難があります。
 検討会では、今後、様々な発言を踏まえて検討していきます。

 センター側からの要請です。
 日本では対策が遅れていますが、韓国ではかなり進んでいます。研究所だけでなく、労働組合、使用者側、さらに政府をあげて取り組んでいます。ソウル市では防止のための条例を制定しています。
 日本でもこれらをどう真似るか、取り入れるかを検討した方がいいと思います。


 6年前の 「円卓会議」 が開催された頃は、厚労省も職場のいじめ問題に取り組む姿勢は積極的なものがありました。しかし現在は、職場での深刻、切実な問題が指摘されているのもかかわたず熱が冷めてしまっていて片手間の課題になっています。そのことをあらわにした対応でした。
 しかし、だからこそ、今後も粘り強く要請・提案行動を続けて行く必要性を実感させられました。


 これらの他に、センターは以下のような項目を要請書に盛り込みました。

 2.過重労働による健康障害の防止対策
 (1) 「働き方改革」 で、特別条項に月60時間の上限、繁忙期は月100時間、前後の2カ
  月平均80時間までとすることはこれまでの 「通達」 より改善したものと評価するが、繁
  忙期は月100時間、前後の2カ月平均80時間までとすることは月60時間の常態化を
  作り出す。特別条項そのものを撤廃すること。
 (2) 「働き方改革」 の労働時間の上限規制は、①自動車の運転の業務、②建設事業、
  ③新技術、新商品等の研究開発の業務、  ④厚生労働省労働基準局長が指定する
   業務、⑤医師 が適用除外とされている。
   過労死を推進する適用除外を廃止すること。
 (3) 休日労働については規制があいまいである。労働者の健康問題の視点から、休日労働
  は、2週間に1回までとし、さらに振替休日や代休を直後に保障することを法律で義務づけ
  ること。
 (4) 現在、労働基準監督署は36協定の協定書の提出を義務付けてはいるが締結に至る経
  緯は問題にされない。そのため会社が指名する従業員が従業員代表になっていることもか
  なり多い。従業員代表の選出においてきちんとした民主的手続きを踏んで選出することを義
  務付け、36協定の協定書の提出においては選出方法も記載することを義務付けること。
 (5) 1月20日に 「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラ
  イン」 が新たに策定された。これまでの 「基準」 より改善したものと評価する。
   しかし出退勤についてまだ労働者に自己申告させる会社がある。出退勤について労働者
  からの自己申告を禁止し、会社が客観的に掌握する方法を義務付けること。
   そのうえで、業種等により働き方が多様化する中、一律の基準では対応できない例も多
  いので、業種ごとに働き方の特性を踏まえた 「ガイドライン」 や対策を作成すること。
 (6) 「ガイドライン」 には、業務時間外のメールや電話対応については記載されていない。
  これらを明確に禁止している国や企業もあること、また賃金不払い残業の温床となること
  を踏まえて、業務時間外のメールや電話対応を禁止するとともに、行われた場合には労
  働時間とするような包括的 「ガイドライン」 を作成すること。
 (7) 深夜の残業禁止が導入された企業で、業務量が削減されていないために持ち帰り残業
  が増加する等の問題がでている。労働時間の規制だけではなく、長時間残業が発生する原
  因に即した改善策の推進に取り組むこと。
   「働き方・休み方改善ポータルサイト」 はどのような方法で周知しているのか、どのくら
  い活用されているのか活用件数を教えてほしい。
 (8) 有給休暇の取得率を公開するように法改正すること。
 (9) 勤務間11時間のインターバル制度の導入を義務づけるよう安全衛生法の改正をする
  こと。
 (10) 「過労死」 の労災認定事業場名や 「特別な出来事」 とされるような長時間労働が原
  因で精神障害の労災認定された事業場名を公開すること。
   5月30日の労働基準関係法令違反に係る公表事案がHP掲載されたが、今後、法で規
  制される月に80時間以上の時間外残業などがあった労災認定事例についても企業名を
  公表すること。
 (11) 政府が推し進めようとしている長時間労働規制を除外して過労死を推進する 「高度
  プロフェッショナル制度」 の労働基準法改正を中止すること。

 3.ストレスチェック制度について
 (1) 事業場に混乱をもたらし、EAPをはじめとする委託業者の利益にしかならないストレ
  スチェック制度は、労働者のメンタル不調防止のための一次予防対策になりえないこと
  から義務化を廃止すること。面接指導を希望する人は、高ストレス者で具合が悪いとい
  うより 「会社にものが言いたい」 ないしは 「前から言っているのに会社が意見をきいて
  くれない」 という実態がある。ストレスチェック制度
  そのものを抜本的に見直すべきである。
 (2) ストレスチェック制度の集団分析と職場改善を義務化すること。
 (3) 労働安全衛生法を改正し化学物質のリスクアセスメントの実施を義務化したように、労
  働者個人のストレスの程度ではなく、職場環境のストレスの程度を調査し、評価するリスク
  アセスメントの実施を事業者に義務付けること。
 (4) ストレスチェック制度導入後1年となったが、実施状況・実施率、受検率等を公表する
  こと。

 4.精神障害の労災認定について
 (1) 愛知労働局や大阪労働局のように一貫して請求件数に対して支給決定件数が少ない
  局に対して、復命書の分析などを行ったうえで改善対策を指導すること。
 (2) 精神障害の労災認定実務要領は改訂で事例が少し増えたが、それとは別に事例集を
  作成し、専門部会を開く労災医員も含めて参考できるように配布し、研修を実施するととも
  に、事例集を公表すること。
 (3) 請求人からいじめ等の状況を録音したもの、録画したものを資料として提出する事案
  が増えていると思われが、各署において検討する段階で、主に反訳で内容を調査されて
  いることから、いじめ等発生状況を正確につかめていないと思われる。録音データの再生
  環境が整っていないケースまである。
   ついては、必ず音声を聞いて検討すること。
 (4) 精神障害の障害等級の決定件数等、詳細について、前回公表する予定はないという
  ことであったが、集計し公表すること。
 (5) 精神障害事案の 「症状固定」 については、「急性症状がなくなった」 (京都労働局)
  などと非医学的な一方的な打ち切りがしばしば行われてきた。本人の意思を尊重しつつ、
  職場復帰について給付担当者が責任を持って主治医や事業場との調整・指導を行い、
  リハビリ就労などを実施して業務による疾病の増悪などがないことを確認してから、症
  状固定の判断を行うこと。
 (6) 「過労死」 の労災認定事業場名や 「特別な出来事」 とされるような長時間労働が原因
  で精神障害の労災認定された事業場名を公開すること。
 (7) 労災補償状況について以下の点を公表すること。
  ①特別な出来事の出来事別の件数
  ②決定件数の内、専門部会で判断したもの、専門医の意見で判断したもの、主治医の意
   見で判断したものの各件数と、支給・不支給件数
  ③精神事案で出来事が複数あった場合で、心理的負荷評価「強」の出来事がなく、「中」
   が複数あって総合評価を 「強」 と判断して支給決定した件数とその出来事の内容
  ④精神障害事案の発症から症状固定までの療養期間ごとの件数

   「活動報告」 2017.7.14
  当センター「いじめメンタルヘルス労働者支援センター」ホームページ・ご相談はこちらから
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