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労働基準法36条は悪法
2011/02/18(Fri)
2月18日(金)

 昨年出版された濱口敬一郎著 『新しい労働社会』 (岩波新書) に、戦前の工場法は何よりも長時間労働で健康を害した女工らの健康を守るために設けられたが、戦後の労働基準法の1日8時間労働は、健康確保ではなく 「余暇を確保しその文化生活を保障するため」 のものとされ、そのため残業については無制限になってしまったとあります。
 確かに法制定の段階では民間も公務員も週労働が1日8時間までには至らなかったようです。しかし48年になると週労働が48時間を超える状況、つまり残業が恒常化するに至りました。
 年間総実労働時間は、60年の2.432時間をピークまで増加を続け、その後第一次オイルショックまで減少を続け、横這いになります。
 この頃から労働省のデータは当になりません。なぜなら、短時間労働者が増加しますが彼らも計算の分母に含まれるからです。
 長時間労働は今も残されたままです。

 民主党政権になってからの昨年6月18日、「『成長戦略』 『元気な日本』 復活のシナリオ~」 が閣議決定しました。
 その中の 「(6) 雇用・人材戦略 ~ 『出番』 と 『居場所』 のある国・日本~」 には
  「【2020 年までの目標】
  『年次有給休暇取得率70%、週労働時間60時間以上の雇用者の割合5割減』、『最低賃金引上げ:全国最低  800円、全国平均1000 円』、『労働災害発生件数3割減、メンタルヘルスに関する措置を受けられる場合の割合100%、受動喫煙の無い職場の実現』 これらの目標値は、内閣総理大臣主宰の 「雇用戦略対話」 において、労使のリーダー、有識者の参加の下、政労使の合意を得たもの。また、これらの目標値は、「新成長戦略」 において、「2020 年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る成長」 等としていることを前提 。」
と記載されています。
 なんとあと9年後の2020 年にも 「週労働時間60時間」 つまり月間残業時間80時間が存在することが前提の目標なのです。
 このような 「シナリオ」 を前提にして今 「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討委員会」 が開催されています。だから認定基準は 「1か月の残業限度は100時間か120時間か」 という論議になるんです。

 体調不良者や過労死が続出するのは長時間労働を規制する法律がないからです。
 労働基準法の 「協定さえ結べば制限のない残業を命じることができる」 という36条では悪法です。
 かつての労働基準法改悪のなかの女性の残業規制の撤廃の時、逆に女性の残業規制の規定を男性労働者にも適用させる方向でこそ改正要求をすべきでした。   


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