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教職員の長時間労働
2018/02/20(Tue)
 2月20日 (火)

 文部省は、昨年末 「2016年 (平成28年) 度公立学校教職員の人事行政状況調査について」 を発表しました。その中の精神疾患による病気休職者数等について検討してみます。しかし、毎年少しずつ推移を検討するための資料が消えていき、実態が分からなくなっています。
 全国で児童生徒数が減少していますが、在職者数は04年以降910.000人台でしたが15年度に920.000人台になっています。正規教員数が増えたのではなく、休職者・産休・育休代替え、非常勤講師が急増しているものと思われますがその内訳はわかりません。体調不良者は定年後、再任用に応募しないし採用されません。そうすると必然的に在職者数は増え、休職者の率は下がります。
 新規任用者からは、「条件附採用期間を経て正式採用とならなかった者」、つまり1年は本採用ではなく2年目に至る時ふるい落とされたり、自ら任用を希望しない者がいますがそこにおける体調不良者の状況はどうなのでしょうか。産休・育休代替え、非常勤講師等は有期雇用ですが、体調不良者は継続雇用を希望しません。
 このような中で発表される数字から実態の分析はできません。
 数年前まであった、り患は勤務校での勤務がどれっくらい経ってからかのようなデータは消えました。

 とはいいながら、2016年の全国で精神疾患で休職している教職員の数は、在職者数920,058人中4,891人で0.53%を占めます。3年ぶりに5.000人を割っています。
 多いのは、中学校0.58%、小学校0.54%です。年代別では40代が0.62%、50代以上0.57%です。
 都道府県ごとの率の発表はありませんが、ここ5年間の推移をみると、東京は12年度466人、13年度529人、14年度525人、15年度528人、15年度560人と2度急増しています。何が原因なのか追及される必要があります。
 東日本大震災の被災地岩手県は人口が減少しているにも関わらず50人、51人、55人、60人、61人と増えています。惨事ストレスは、数年後に発症することもあります。
 一方、九州地方は人口の変動はさておくとして徐々に減少している傾向がみられます。例えば、大分県は73人、66人、52人、53人、47人です。


 地元紙は、地元の教職員の勤務実態を調査して発表することがあります。
 昨年9月5日の北海道新聞です。
 道教委は、16年11~12月における連続7日間の勤務時間などを、道内の86の公立小中高校と特別支援学校の教職員勤務実態調査校を抽出して調査をしました。
 その結果、中学教諭の約46.9%が、国が示す 「過労死ライン」 に達する週60時間以上の勤務となっていました。長時間労働の背景として、平日は授業の補助や準備、休日は部活動指導に時間を取られていることが影響しています。小学校では23.4%、高校は35.7%でした。
 最も多いのは、中学校で55~60時間、ついで50~55時間、60~65時間の順です。80時間以上も5%いました。小学校では、50~55時間、45から50時間、55~60時間の順です。
 休職者の推移は12年度220人、13年度216人、14年度217人、15年度201人、16年度180人です。全国の休職者の約4%を占めます。数字は埼玉県や愛知県とにています。教員数の推移はわかり合せんが、15年度の人口は5,381,733、埼玉県7,266,534、愛知県7,483,128です。
 文部科学省の全国調査では小学校33.5%、中学校57.6%で、いずれも全国平均は下回ったといいます。


 文科省の2016年度の調査では、残業が月80時間以上の状態が続いているなど 「過労死ライン」 に達している教諭が小学校で34%、中学校で58%に上っています。
 昨年11月28日、長時間勤務が問題化している教員の働き方について議論する中央教育審議会 (中教審) の特別部会は、教員の働き方改革について中間まとめ案をまとめました。それを受けて12月26日、文科省は 「学校における働き方改革に関する緊急対策」 を発表しました。 そこには
「政府全体の 『働き方改革実行計画』 において,時間外労働の限度について原則月45時間、年360時間と示されている。それを参考にしつつ、教師が、長時間勤務により健康を害さないためにも、勤務時間に関する数値で示した上限の目安を含むガイドラインを検討し、提示する。」
 とあります。勤務時間の把握については 「手段」 であって 「目的」 ではないとし、「国、教育委員会は業務の削減や勤務環境の整備を進めなければならないと自覚すべきだ」 と強調しています。

 教育行政の要求により、学校現場の仕事が次々と増やされてきたことへの 「反省」 にも言及しました。
 さらにこれまで学校と教員が担ってきた14業務を整理し、今後のあり方を検討しました。「登下校に関する対応」 や 「放課後から夜間の見回りや児童生徒が補導された時の対応」 「給食費などの学校徴収金の徴収・管理」 「地域ボランティアとの連絡調整」 の4業務を 「学校以外が担うべき業務」 に分類し自治体や保護者に委ねる方針を示しました。「調査・統計への回答」 「児童生徒の休み時間の対応」 「校内清掃」 「部活動」 「給食時の対応」 の5業務は 「学校の仕事だが教員以外も担うことを検討」 に分類。「授業準備」 「学習評価や成績の処理」 「学校行事などの準備・運営」 「進路指導」 の4業務は 「学校と教員の仕事だが一部は教員と連携したサポートスタッフの積極的な活用を考えるべきだ」 に分類しました。
 教員の残業を修学旅行や災害など4項目に限定している教育職員給与特別措置法の見直しについては 「引き続き議論する」 と記すにとどめた。

 
 教員の長時間労働の原因に部活指導があげられています。部活動は、生徒の自主的な活動です。
 緊急対策のなかの 【部活動】 についてです。
○ 運動部活動については,「学校における働き方改革に関する総合的な方策 (中間まとめ)」 を踏まえ,本年度末までに,部活動の適切な運営のための体制の整備や適切な活動時間や休養日についての明確な基準の設定,各種団体主催の大会の在り方の見直し等を含んだガイドラインを作成し,提示する。また,文化部活動に関しても運動部活動と同様にその在り方等について検討する必要があることから,ガイドラインを作成する等必要な取組を行う。
○ 部活動の顧問については,教師の勤務負担の軽減や生徒への適切な部活動指導 の観点から,各校長が,教師の専門性や校務分担の状況に加え,負担の度合いや専門性の有無を踏まえて,学校の教育方針を共有した上で,学校職員として部活動の実技指導等を行う部活動指導員や外部人材を積極的に参画させるよう促す。 部活動指導員については,スポーツ庁が作成予定の「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン (仮称)」 を遵守すること,部活動指導員の参画が教師の働き方改革につながる取組であること等を条件として支援を行う。
○ 少子化等により規模が縮小している学校においては,学校に設置する部活動の数について,部活動指導にたけた教師の配置状況や部活動指導員の参画状況を考慮して適正化するとともに,生徒がスポーツ等を行う機会が失われることのないよう複数の学校による合同部活動や総合型地域スポーツクラブとの連携等を積極 的に進めるよう促す。
○ 大会・コンクール等の主催者に対して,部活動指導員による引率や,複数の学校による合同チームや地域スポーツクラブ等の大会参加が可能となるよう,関係規定の改正等を行うよう要請する。
○ 一部の保護者による部活動への過度の期待等の認識を変えるため,入試における部活動に対する評価の在り方の見直し等の取組も検討するよう促す。
○ 各種団体主催の大会も相当数存在し,休日に開催されることも多い実情を踏まえ,各種団体においてその現状の把握と見直しを要請する。
○ 将来的には,地方公共団体や教育委員会において,学校や地域住民と意識共有を図りつつ,地域で部活動に代わり得る質の高い活動の機会を確保できる十分な体制を整える取組を進め,環境が整った上で,部活動を学校単位の取組から地域 単位の取組にし,学校以外が担うことも検討する。

 外部指導者は1990年代後半頃から、「開かれた学校づくり」のなかでその必要性が訴えられるようになり、2017年度時点で全国に約31,000人が部活動の指導にあたっています (日本中学校体育連盟調べ)。

 部活の外部指導者の導入、学校からの切り離しには、学校内においても、保護者・地域においても賛否は真二つに分かれます。その議論はもっと議論が必要ですが、甲子園大会などのような、教師だけでなく生徒の酷使も同時に見直す時期にきているのではないでしょうか。

   「平成28年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」
   「学校における働き方改革に関する緊急対策」
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