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「サービスする側と受ける側がともに尊重される社会を目指したい」
2017/11/22(Wed)
 11月22日 (水)

 11月8日の朝日新聞の 「東京のほお~言!!」 はテーマが 【おせわさま】 です。
「顔見知りの店で買い物を済ませて出る時に、『お世話様です』 ということはありますか。東京を中心とした関東で特によく使われるあいさつです。
 明治生まれの、生粋の江戸っ子作家久保田万太郎は、地方出身の友人に 『君達は買物をして帰りがけに、どうもお世話様! なんて云う言葉は知らないだろう』 と自慢気に言っています。昭和の初めごろまでは、極めて 『東京風』 な言い方だったようです。
 『お世話様』 は、タクシーの運転手や宅急便の配達員に対しても使うように、労力を提供してくれる立場の人をねぎらう意味合いを含みます。そのため、子どもにはそぐわず、目上には言いにくいと感じられる傾向があります。この点 『ご苦労様』 と似ています。
 東京風の 『お世話様』 に対し、同じ場面で西日本では 『ありがとう』 『おおきに』 といった感謝の表現を多用します。『世話をかけた』 とかしこまるか、ストレートに感謝するか。表現にも地域差がありますね」

 いかにもあいさつとして定着しているような書きかたですが、実際に外出先での宅急便の配達員への対応や、スーパーでのレジ終了時、食堂などでの帰り際をみていると結構労いのあいさつがないのに出くわします。
 食堂などで 「○○」 「△△」 とつっけんどんの注文の声が聞こえると、「○○が食べたいのか、いらないのかどちらだ」 と店に代わって問いただしたくなります。「お願いします」 をどうして添えられないのでしょうか。それで通じていると反論されそうですが、自分の食事がまずくなります。逆に、食堂などで青年たちが 「ごちそうさま」 といいながら席を立つ場面に出くわすと、自分の食事もおいしくなります。

 11月21日の朝日新聞 「天声人語」 の抜粋です。
「おもてなしの国、世界一心のこもったサービス……。そんな美名の疑念を、作家の石田衣良さんがかつて雑誌に書いていた。『最高のサービスの裏に最低の客が隠れているのではないか』。そう疑いたくなると▼客としては王様のように振る舞うが、サービスや商品を提供する側に回ると、下僕のようにさせられる。日本社会を大きな目で見れば、消費者である私が労働者である私を追い詰めてはいないか」


 11月16日、UAゼンセン流通部門は、調査結果 「悪質クレーム対策 (迷惑行為) アンケート調査結果 ~サービスする側、受ける側が 共に尊重される社会をめざして~」 の速報版を公表しました。

 調査結果の 「はじめに」 で 「私たちの産業は、顧客第一主義を大原則に掲げ、消費者の行動は常に正しいとの認識が強く、消 費者からの意見に対しては不当なものであっても耐えなくてはいけない風潮があります。そして、そのことが社会的にもモンスター化する消費者を助長させ、接客応対の難しさから退職者の増加や働く仕事として敬遠される傾向にあると言えます。」 と訴えています。

 UAゼンセンは、今年6月~7月に、接客対応されている流通部門所属組合組合員 (販売・レジ業務・クレーム対応スタッフ等) を対象に調査を行い、168組合50,878人から回答がありました。これまでどの機関においても実態調査が実施された例はありませんでした。
 調査目的は、「職場で起こっている悪質クレーム (迷惑行為) の実態について調査し、傾向を分析する。また、調査内容は具体的な事例も示す調査とし、結果については、関係諸団体への要請活動時に提示する資料として活用する。」 です。「クレームとは、商品・サービスに関して消費者から不満がおこり、会社 (店舗) に責任ある対応を求められることです。」
 回答者の内訳は、男性15,640人、女性28,997件、無回答6,161件です。年齢では10代539件、20代7,396件、30代10,842件、40代14,089件、50代12,089件、60代4,992件、70代161件、無回答770件です。

 調査結果です。
 設問1: あなたは、業務中に来店客からの迷惑行為に遭遇したことがありますか? についてです。
 「ある」 3万6002人 (73.9%) です。男女別で比較すると、男性は 「ある」 12,057人 (78.9%)、女性19,694人 (71.3%) です。
 部門別の比較です。
 「ある」 は多い順に百貨店1,750人 (86.4%)、家電関連1,750人 (84.9%) で、スーパーマーケットは8,712人 (65.8%) です。商品説明などで消費者と会話を交わす機会が多い方が 「ある」 になります。消費者は設問7の 「ストレスのはけ口になりやすい」 相手を探しています。
 設問2: あなたは、業務中に次のような来店客からの迷惑行為に遭遇したことがありますか? 【複数回答可】 についてです。
 多い順に、「暴言」 24,107人 (47%)、「何度も同じ内容を繰り返すクレーム」 14,268人 (28%)、「権威的 (説教) 態度」 13,317人 (26%)、「威嚇・脅迫」 12,920人 (25.4%)、「長時間拘束」 9,752人 (19.2%)、「セクハラ行為」 4,953人 (9.8%) です。「土下座を強要」 が1,580人 (3.1%) いました。「土下座を強要」 はテレビドラマ 「半沢直樹」 の放映後増えました。
 男女別を比較して差が大きいのは、「暴言」 は男性8,244人 (52.7%)、女性13047人 (45%)、「威嚇・脅迫」 は男性5,747人 (36.7%)、女性5,710人 (19.7%)、「セクハラ行為」 は男性519人 (3.3%)、女性4,018人 (13.8%)、「土下座の要求」 は男性1,051人 (6.7%)、女性374人 (1.3%) です。
 「暴言」 ではないですが、スーパーなどのレジで携帯で誰かと話をしながらお金を払うという行為は従業員の存在を 「無視」 する失礼な行為ではないでしょうか。

 設問3: 迷惑行為を経験された方は、迷惑行為から受けたご自身への影響を教えてください についてです。
 「強いストレスを感じた」 19,917人 (53.2%)、「軽いストレスを感じた」 13,500人 (36.1%)、「影響なし」 2,775人 (7.4%)、「精神疾患になったことがある」 359人 (1.0%) でした。
 男女別を比較して差が大きいのは、「軽いストレスを感じた」 は男性が4,209人 (36.1%)、女性7,670人 (26.5%) です。
 「強いストレスを感じた」 「精神疾患になったことがある」 は、職場環境を悪化させ退職につながっていきます。
 設問4: 迷惑行為にあった時、あなたはどのような対応をしましたか? についてです。
 多い順に、「謝りつづけた」 17,587人 (37.8%)、「上司に引き継いだ」 13,979人 (30.1%)、「毅然と対応した」 9,410人 (20.2%)、「何もできなかった」 2,687人 (5.8%) でした。
 すべての項目で男女に開きがあります。「謝りつづけた」 は男性6,268人 (40.9%)、女性9,218 (36.0%)、「上司に引き継いだ」男性3,663人(23.9%)、女性8,602人(33.6)、「毅然と対応した」男性4,116人(26.9%)、女性4,214人(26.9%)、「何もできなかった」 は男性476人 (3.1%)、女性1,914人 (7.5%) でした。
 「謝りつづけた」 「何もできなかった」 は、組織的対応として当該任せで、それ以外の対応方法を周知されていないということです。

 設問5: 迷惑行為にあった時、あなたのとった対応の結果、問題の行為は収まりましたか? についてです。
 「収まった」 24,443人 (61.3%)、「長時間の対応を迫られた」 6,702人 (16.8%)、「収まらなかっ た」 4,581人 (11.5%)、「さらに態度がエスカレートした」 1,938人 (4.9%) でした。
 男女の比較で差が大きいのは、「収まった」 男性7,791人 (56.3%)、女性13,652人 (64.0%)、「長時間の対応を迫られた」 は男性3,298人 (23.8%)、女性2,675人 (12.5%) でした。

 設問6: 迷惑行為は、近年増えていると感じていますか? についてです。
 「増えている」 24,880人 (49.9%)、「あまり変わらない」 14,940人 (30.0%)、「減っている」 1,664人 (3.3%) でした。
 「あまり変わらない」は多い状況が変わらないのか、少ない状況が変わらないのか不明です。
 設問7:迷惑行為が発生している原因をどう考えますか? 【複数回答可】 についてです。
 「消費者のモラル低下」 32,651人 (30.4%)、「消費者のサービスへの過剰な期待」 26,192人 (24.4%)、「ストレスのはけ口になりやすい」 26,008人 (24.2%)、「従業員の尊厳が低く見られている」 20,082人 (18.7%) でした。
 男女比較で差が大きいのは、「ストレスのはけ口になりやすい」 男性6,821人 (20.4%)、女性16,134人 (26.3%) です。
 「消費者のモラル低下」 は、設問6の迷惑行為が 「近年増えている」 につながっていると思われます。消費者は反論されないと思うとストレスのはけ口の対象にします。「従業員の尊厳が低く見られている」 が業務上はまったく関係のない設問2の迷惑行為 「セクハラ行為」 につながっていきます。

 設問8: 迷惑行為からあなたを守るために、どのような措置が必要と考えますか? 【複数回答可】 についてです。
 「迷惑行為への対応を円滑にする組織体制の整備」 20,916人 (22.7%)、「企業のクレーム対策の教育」 12,560人 (20.9%)、「法律による防止」 19,196人 (20.8%)、「消費者への啓 発活動」 18,455人 (20.0%)、「企業のマニュアルの整備」 12,560人 (13.6%) でした。
 男女比較で差が大きいのは、「法律による防止」 は男性7,931人 (26.0%)、女性9,163人 (18.0%)、「迷惑行為への対応を円滑にする組織体制の整備」 は男性5,827人 (19.1%)、女性12,529人 (26.6%) です。男性は社会的規制、女性は職場内での体制づくりを期待しています。
 法律による防止やマニュアルがあると従業員は、自分を守る手段があることを認識し、毅然とした対応ができます。

 「設問9: あなたが実際に体験した迷惑行為の内容を教えてください。記入内容 ① 【・・・ような対応をしたら、消費者から・・・ような行為をされた。】 ②具体的な対応時間・対応回数・発言内容などを記載ください。」 の欄に記載された具体的な迷惑行為の事例です。2万人がみずからが受けた被害の詳細を書いてきました。
 ・商品返品時に 「バカか、謝るしかできないのか」 などと1時間近く暴言を言われた
 ・店で扱っていない商品を売るよう求められ、「仕入れしない方が悪い」 「早く仕入れ先に
  電話しろ」 などと怒鳴られた
 ・背後から尻を触られたり 「年いくつ?」 などと聞かれたりした
 ・商品の場所を手で指して知らせたところ 「何なんだ、その態度は」 と胸ぐらをつかまれた
 ・機嫌の悪い客から買い物カゴや小銭を投げられたりした。
 ・20分以上謝り続けた。
 ・3時間以上説教を受けた。
 ・商品の在庫を訊ねられ、在庫が無い旨お伝えしたところ、「売る気ないんか、私が店長だっ
  たらお前なんか首にするぞ」 と延々怒られました。
 ・商品不良の交換対応時に店までの交通費及び迷惑料を要求されました。出来ないことを
  伝えると大声でどなられ、(中略) 生活出来ないようにしてやると脅されました。
 ・(女性従業員が) 110番通報され警察で厳重注意を受けた客が逆ギレし、通報した店員へ
  の誹謗中傷をネットの掲示板で実名と共に書き、拡散された。
 ・ポイントカードの入力を間違えたスタッフが土下座をさせられ犯罪者呼ばわりされた。
 ・客の勘違いで購入した商品を間違えたのに 「店の説明不足だ」 と自宅に呼び出され、返金を
  要求された。深夜1時までおよそ10時間にわたって拘束された。
 ・酔っている客から横腹を殴られた。
 ・2時間にわたって正座させられ片方の耳が聞こえなくなった。
 ・客から腕で何度も胸をつつかれ、上司に報告したが、「大ごとになる」 と対応してもらえ
  ず、体調を崩して精神疾患になった。
などなど


 調査結果公表の記者会見に先立ち、UAゼンセンは厚労省に 「職場における上司・部下関係のハラスメントだけでなく、消費者 (顧客) ・労働者の関係性の中にもハラスメントがある。その対策も検討してほしい」 と要請行動を行ないました。項目は
 ・悪質クレームから労働者を守るために、事業者が講ずべき措置を定めること
 ・厚労省や消費者庁、警察庁などの公的機関が実態調査・対策に関する研究を行うこと
 ・労働者が受ける違法行為を抑止するための施策を講じること
です。
 厚労省側からは 「理解できる内容だ」 「業界団体との意見交換も必要だ」 「パワハラ検討会で検討を深めていきたい」 などの回答がありました。

 UAゼンセンは調査と並行し、8月に、悪質クレームの定義と対応に関するガイドラインを作成しました。(10月6日の 「活動報告」 参照)
 さらに業界団体との意見交換も行っています。

 「職場の暴力」 への対策がやっと開始されました。
 UAゼンセンは 「サービスする側と受ける側がともに尊重される社会を目指したい」 と語っています。
 「消費者である私が労働者である私を追い詰めてはいないか」 が問われています。

 伊藤園の 「おーいお茶」 に載っていた11歳の少年が詠んだ俳句大賞の作品です。
   おはようと 言った数だけ 心のわ

   「職場の暴力」
   「活動報告」 2017.10.6
   「活動報告」 2017.9.29
   「活動報告」 2017.7.14
   「活動報告」 2016.12.21
   「活動報告」 2015.11.26
  当センター「いじめメンタルヘルス労働者支援センター」ホームページ・ご相談はこちらから
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