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労働条件は職場における暴力及びハラスメント行為を呼び起こす
2016/03/25(Fri)
 3月25日 (金)

 全国労働安全衛生センター連絡会議の機関誌 『安全センター情報』 2016年3月号は、欧州生活労働条件改善財団2015の 「欧州の職場における暴力とハラスメント:広がり、影響及び方針」 を掲載しています。
 EU各国における職場の暴力とハラスメントについて、認識、捉え方、取り組みの方針と手続き状況などの特徴について分析しています。そこには社会的、文化的要素も関係していて、地域によっても大きく違っています。
 2014年のユーロファウンド/EU-OSHA報告書 「欧州における心理社会的リスク:普及状況及び予防戦略」 は、暴力及びハラスメントは、労働及び健康に対する否定的な影響と関係していると強調しています。

 2007年、社会パートナーは、自主的取り組み協定におけるような方針の設計から、例えば、職場レベルでの予防の取り組みにおける具体的ノウハウの提供や、標的とされた者に対する支援の提要による方針の補完まで、幅広い範囲にわたって貢献しました。
 しかし国、地域などによって問題へのアプローチは大きく違っています。

 各国の比較分析から引き出された結論の抜粋です。
「・社会文化的諸側面は、暴力及びハラスメントの出現と、それを報告するレベルの双方に
 影響を及ぼす。
・労働条件 (労働の編制、労働強度の高さやストレスのレベル、管理のまずさ、ワークライフ
 バランスのまずさ) は職場における暴力及びハラスメント行為を呼び起こす。
暴力及びハラスメントの法的定義は、被害者が事件を成功裏に解決する可能性を高める。
 法的定義はまた、方針イニシアティブやよりよいコーディネーションを促進する。
・国における高いレベルの認識はしばしば、社会対話を通じて策定され、企業の手続きと国の
 方針を通じて実施される、長期的系統的方針をともなって進んでいる
。」

 具体的状況です。
「加盟諸国において暴力及びハラスメントが長期的に緩やかに増加しているという証拠は共有されており、それは主として、第三者による暴力の報告の増加と関連しているように思われる。これは主として、第三者と直接接触するサービス業務、おそらくICTの利用の増加と結びついた労働を行う労働者の割合の増加によるもののようである。
 さらに、暴力及びハラスメントと高いレベルの職務要求 (時間圧力、労働負担、きつい締め切り)、不十分なワークライフバランス、不適切な労働編制 (管理者の能力、衝突)、雇用不安及びストレスとの関係に関するはばひろい証拠が存在している。」
「EUレベルでは、臨時労働者、外国人労働者または保健部門で働く人々など、一定の雇用状態にあるいくらかの労働者が、より頻繁に暴力及びハラスメントの対象になっていると報告している。」

 第三者による暴力は原因がります。労働者が抱えるストレスが身近な第三者に加害者となって発散されることがあります。また、インターネットなどによる、顔が見えない相手、直接接しない相手に対して感情むき出しの攻撃が増えています。
 そして同じようなことが、反論しない不安定雇用の労働者に向けられます。外国人労働者に対しては、雇用を脅かすものとして排外主義的攻撃に至ったりします。
 まさに暴力及びハラスメントは職場環境、社会状況が作り出しているといえます。
 2010年、EUの民間及び公共部門の社会パートナーは 「労働における第三者による暴力及びハラスメントに対処する多部門ガイドライン」 を締結しました。


「EUでは、暴力及びハラスメントに対処する手続及び措置を持っている企業の割合は低い。方針をもつ企業の割合が高い国のグループは、暴力及びハラスメントが方針・イニシアティブにより明らかに含まれている諸国である (団体協約または労働安全衛生・雇用法令)。
 スカンジナビア諸国とオランダは、労働者の精神的及び身体的健康を保護するために職場における否定的な行為を予防する使用者の一般的義務の一部として、かかる義務を考えている。このアプローチは、労働における健康の問題に言及する場合にウェルビーイングというひろい概念を用いることと関係しているようにみえる。」

 まさしく 「暴力及びハラスメントの法的定義は、被害者が事件を成功裏に解決する可能性を高める。法的定義はまた、方針イニシアティブやよりよいコーディネーションを促進する」 の好事例です。
 逆に、取り組みが遅れている国は、認識、問題の捉え方そのものがあいまいだったりして、その容認につながっていたりします。


 職場におけるICTやモバイル端末の普及の増加によってサイバーいじめが増加しています。
 たとえば、スウェーデンにおける第三者によるサイバー攻撃の報告書です。
「サイバーいじめを経験したことのある人々は労働における満足度が低く、組織内で参加する機会が少なく、組織から離れることを望んでいそうであり、組織の向けられた様々なかたちの否定的行為により関わりそうである。」
 さらなる調査研究及び職場におけるサーバーいじめの監視が必要と問題提起をしています。

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