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「人の気持ちをちゃんと考えられるひとが   いちばんかっこいい人間だ」
2012/11/16(Fri)
 11月16日(金)

 大阪に行くたびに、時間を作って浪速区にある 「大阪人権博物館 (リバティおおさか)」 に足を運びます。何度行っても、長時間いても飽きません。
 しかし松井府知事、橋下市長になると、展示内容が 「差別や人権に特化されており、子どもが夢や希望を持てる内容になっていない」 という理由で、13年度以降補助金を廃止しようとしています。(12年5月29日の『活動報告』参照)
 これに対し、博物館は 「リバティサポーター」 を募集して維持していくことを決めています。
 チラシに書かれている呼びかけ文です。
 「多くの人びとの願いと努力で設立された、日本で唯一の人権博物館。人権に関する貴重な資料と博物館を未来に手渡せるよう、ご支援をお願いいたします。」

 テーマごとのたくさんのコーナーがあります。
 「いのち・輝き」 コーナーには、大阪・大東市立住道中学校のいじめ問題への取り組みの報告が展示されています。

 住道中学校では、卒業を控えた2008年2月に、3年生全員 (158人) が 「道徳」 の科目で 「いじめNO! 宣言を作ろう!」 という課題に3時間取り組みをしました。
 第一限目は、グループワーク
 第二限目は、ロールプレー
 第三限目は、私の 「いじめNO!宣言」 発表
です。

 第一限目の 「グループワーク」 です。
 「ねらい」 は、「グループメンバーが協力し課題を達成することで、協力について学び、自分の発言について考える。(人間関係づくりに必要な力を身につける) 自分自身で体験の中から発見。再発見、再認識していく。」 です。
 「まとめ」 です。
 「人と人とのつながりの中で、コミュニケーションが重要であること、またコミュニケーションってこんなことなのかなあということに少しは気ずいてくれたと思う。リーダーシップも大事だし、自己主張 (自分の意見を伝える) や情報を組み立てること、協力することも大事である。
そういうことを人から学ぶのではなく、自分の体験から感じ、気づくことがこの 『グループワーク』 のねらいなのである。」

 第二限目の 「ロールプレー」 です。
 「ねらい」 は、「いじめをなくすためには、同じ状況であっても人によって感じ方が違うことを知る。『これ以上近づかれると嫌な気持ち』 になってしまう 『心の境界線』 は、人によってその距離感が違うことに気づく。」 です。
 子どもたちからの発言が 「子供へのインタビューより」 として載っています。
 ・みんな、イヤだと思う度合が違うことが分かった。
 ・自分で意識せずに人の嫌がることをしている場合があった。
 ・同じ状況でも、人によって感じ方が違うことが分かった。
 ・いじめをなくすために、自分も友だちも大切にしようと思った。

 第三限目の 「私の 『いじめNO! 宣言』 を作ろう」 です。
 「ねらい」 は、「卒業を前に、自分たちが最も大切にしなければならないのは、いったい何なのかを考える。 『いじめは絶対に許さない』 という決意で中学校を卒業していくためにも1人ひとりの 『いじめNO! 宣言』 を作る。
 後輩たちに59期の思いを伝えるために、住中59期生 『いじめNO! 宣言』 を作る。」 です。
 そこに出された 「私の宣言」 です。
 ▼ いじめは絶対に許さない。
 ▼ いじめを見抜く目を持とう。
 ▼ 仲間を信頼しよう。
 ▼ いじめはアカンという勇気を持とう。
 ▼ 一人一人を大切にしよう。
 ▼ 生命の大切さ、人としての尊厳の大切さを確認しよう。
 ▼ 思いやりの心を持とう。
 ▼ 自分に責任を持とう。
 ▼ 感謝の気持ちを忘れない。
 ▼ 「こころ」 のルールを持とう。
 ▼ 自分の本気が自分の未来を開きます。

 全員の 『いじめNO! 宣言』 が作成されました。

  「いじめ」 は人を傷つける行為だ
  人によって 「心の境界線」 はちがう
  自分がなにげなくしていることでも
  他の人には いやに感じることもある

  人にはだれにだってよいところが絶対にある
  そういう人の良いところを見つけていこう
  「いじめ」 はアカンという勇気を持とう

  一人ひとりを大切にしよう
  仲間とつながっていこう
  お互いに支え合うのが 本当の友達だ

  私たちは 「いじめ」 を絶対に許さない
  お互いを思いやり 信頼できたら
  きっと 「いじめ」 もなくなるはず
  人の気持ちをちゃんと考えられるひとが
  いちばんかっこいい人間だ

           2008年3月7日
           大東市立住道中学校第59期生一同

 そして後輩たちに思いを伝えるために、「いじめNO! 宣言」 を、一文字づつを版画に彫って繋ぎあわせ、大きな額縁の作品にし上げて展示しました。その写真が載っています。

 生徒たちは 「自分たちが最も大切にしなければならないのは、いったい何なのかを考える。」 にちゃんと回答を見つけ出しています。
 松井府知事や橋下市長が言うような 「差別や人権に特化されており、子どもが夢や希望を持てる内容になっていない」 の逆です。
 この博物館を潰すと、先代が苦闘の中から獲得してきた人権を覆いかくし、豊かな人権を未来に手渡せなくなってしまします。


 10月18日の 「活動報告」 に大津市の 「いじめ」 事件についての講演報告を書きました。住道中学校の 「いじめNO!宣言を作ろう!」 の取り組みと合わせて、生徒を労働者、学校を経営者、教師を管理職と言い換えて自分たちの職場の状況を捉えなおすと、これまで気がつかなかったことに気づかされます。
 
  
  当センター「いじめメンタルヘルス労働者支援センター」ホームページ・ご相談はこちらから

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