FC2ブログ
2012/07 ≪  2012/08 12345678910111213141516171819202122232425262728293031  ≫ 2012/09
ハラスメントとは、身体的、精神的、職業的尊厳を傷つける及び性的な行為
2012/08/17(Fri)
 8月17日 (金)

 全国労働安全衛生センター連絡会議の機関誌 『安全センター情報』 12年8月号は、「欧州労使ハラスメント・暴力協定の実行」 を特集しています。
 2011年10月27日、欧州社会パートナーの社会対話委員会は最終共同報告書 「労働におけるハラスメント及び暴力に関する欧州的枠組み協定の実行」 を採択し、2012年3月欧州委員会に送られました。抜粋を紹介します。
 協定の前提です。
「枠組み協定は、企業の規模、活動の領域、または雇用契約や雇用関係の形式を問わず、すべての労働現場及び労働者に適用される。協定はまた、EU及び各国の法律が、労働現場におけるハラスメント及び暴力を予防する使用者の義務を定めていることを認める。」

 ハラスメント及び暴力の定義です。
「枠組み協定によれが、ハラスメント及び暴力は、1人または複数の個人による容認できない振る舞いによるものであり、多くの異なる形態をとる可能性があり、いくつかのものは他のものよりも容易に確認できるかもしれない。ハラスメント及び暴力は、身体的、心理的及び性的であり、一回限りの出来事またはより系統的な態度の繰り返しであり、同僚の間の、上位者と下位者との間の、または顧客、取引先、患者、生徒等第三者によるものであり、また、ささいな無礼な態度から、公的当局の介入を必要とする刑事犯罪を含めたより重大な行動まで多岐にわたる可能性がある。」
 日本においては、厚労省等における 「職場のいじめ」 の定義はありません。「性的」 についての定義、防止対策については雇用均等法のなかに盛り込まれています。
 東京都労働経済局は2000年3月にパンフレット 『職場のいじめ ~発見と予防のために~』 で発行しました。
 そこでは 「職場のいじめ」 を 「職場において、仕事や人間関係で弱い立場に立たされた成員に対して、精神的又は身体的な苦痛を与えることにより、結果として労働者の働く権利を侵害したり、職場環境を悪化させたりする行為」 と定義しました。初めて 「精神的」 が加わりました。

 「協定は、使用者、労働者及び労働者代表に、労働におけるハラスメント及び暴力の問題を予防、把握及び管理するための方法を提供する。また、この問題への注意及び理解を高めることも目的としている」 とあります。

 欧州社会パートナーは、協定署名から最初の3年間 (2008年-2010年)、社会対話委員会に枠組み協定の進行中の実行を要約した返事票を提出しました。各国、欧州業種間社会パートナー、企業レベルなどは普及、教育、研究などさまざまな取り組みを開始します。
 具体的取り組みのドイツテレコムの団体協定の紹介です。
「ドイツテレコムは、労働におけるハラスメント及び暴力が黙許されないことを明らかにした文章を含む幅広い協定を締結した。例えば管理者及び労働者は、問題を話し合い、違反を予防し、違反の出来事が生じた場合の適切な対処方法を学ぶ機会を提供される。他方で、違反は妥協なしに処罰される。
 以下の事業所レベル協定は、労働におけるハラスメント及び暴力の予防を扱っている。
→ 「労働における襲撃、セクシャルハラスメント及び暴力は確実に起訴される。このために
 情報イベントが組織される」 ことを明記した 「均等待遇及び機会均等に関するグループ協定」
→「セクシャルハラスメント」の問題を明示的に取り扱う「社会カウンセリングに関する
 一般協定」
→「労働におけるパートナーシップに基づくふるまいを対象とした 「パートナーシップに関する
 事業所レベル協定」
→「パートナーシップに基づくふるまいに関する一般協定」
 ドイツテレコムは現在、実施基準の改正に関してグループ労働評議会と交渉中である。これもまた、「われわれはいかなる形態の差別またはハラスメントも黙許しない。したがって他者に対して差別及びハラスメントのつながる影響をもつ可能性のある行動は、われわれの企業及びすべての事業関係のなかで禁止される」 とする文章を含んでいる。実施基準または、グループ規模の要求事項としての一般形式として法制化するために、それらの諸側面によって明確に補完される。」

 フランステレコムは多くの自殺者を出しましたが、ドイツテレコムもたくさんの精神疾患の労働者が出ています。


 欧州社会対話による 「労働に関連した第三者暴力及びハラスメントに対処するための他部門ガイドライン」です。
 欧州委員会の支援のもと他部門社会パートナーは、2008年と2009年に2回の会議を開催しました。そこでは事例研究及び共同討論とともに、使用者及び労働組合の第三者暴力に関する調査結果が発表されました。
 ガイドラインは、このようなイニシアティブのうえに構築されました。2007年4月26日のハラスメント及び暴力に関する枠組み協定を補完するものです。


 ガイドラインの目的です。
「本ガイドラインの目的は、ここの職場が、第三者暴力の問題に対処するための結果志向型の方針をもつようにすることである。本ガイドラインは、問題を低減、予防及び緩和するために、使用者、労働者、労働者代表・労働組合がとることのできる現実的なステップを設定している。このステップは、われわれの部門において開発されたベスト・プラクティスを反映しており、より特定した及び追加の措置によって補完する。」

 具体的形態についてです。
「労働関連第三者暴力及びハラスメントは、多くの形態をもつ場合がある。それには以下である可能性がある。
a)身体的、精神的、口頭によるもの及び性的なものである。
b)個人または集団による一度限りの事象またはより系統的なふるまいのパターンである。
c)依頼人、顧客、患者、サービス利用者、生徒または親、一般の人、またはサービス提供者
 の行動またはふるまいから生じる。
d)失礼な事例から、より深刻な脅迫や身体的襲撃にまで及ぶ。
e)メンタルヘルス問題から、及び/または、感情的理由、個人的好き嫌い、性差、人種・民族、
 宗教や信念、障害、年齢、性的思考または身体のイメージにもとづく偏見に動機づけられて
 生じる。
f)組織されまたは機械的なものかもしれず、また公的機関による介入を必要とするかもしれ
 ない、労働者及び彼・彼女の評判または労働者の顧客の財産を狙った刑事犯罪を構成
 する。
g)被害者の個性、尊厳及び人格に深い影響を与える。
h)職場、公共の場所または私的な環境で起こり、かつ、労働に関連している。
i)幅広い情報及びコミュニケーション技術を通じたサイバーいじめ・サイバーハラスメント
 として起こる。」

 「労働におけるハラスメント及び暴力に関する欧州的枠組み協定の実行」 の定義 「ハラスメント及び暴力は、身体的、心理的及び性的」 に 「口頭によるもの」 が加わっています。
 フランスのモラルハラスメントの定義は 「雇われている労働者の権利や尊厳が侵されるような労働条件の切り下げを目的にした、またはその効果を狙って繰り返される行為。労働者の身体的、精神的または職業上の将来の名誉を傷つけることを目的にして繰り返される行為。」 と定義づけられています。
 「口頭によるもの」 とは、「労働者の権利や尊厳が侵される」 「職業上の将来の名誉を傷つける」 ような行為を指すものと思われます。

 「労働関連ハラスメント及び第三者による暴力を把握、予防、提言及び緩和するステップ」 についてです。
「1.第三者ハラスメント及び暴力が起こる可能性は、使用者、労働者及びサービス利用者の注意喚起及び管理者と労働者が適切な手引きとトレーニングを受けることを通じて、低減することができる。
 ・・・
3.使用者は、その一般的安全衛生方針に組み入れた、第三者によるハラスメント及び暴力の予防及び管理についての明瞭な方針の枠組みをもつべきである。その方針は、国の法令、労働協約、及び慣行にしたがって、労働者及び労働者代表と協議して、使用者が策定すべきである。とりわけ職場の安全衛生リスク・アセスメント及び個々人の職務権限を、第三者によって引き起こされるリスクの対策志向型アセスメントに含めるべきである。」

 第三者ハラスメント及び暴力は、サービス利用者への注意喚起と使用者、労働者を含めた社会運動・宣伝として取り組むことが大切です。
 日本でも早期の対策が迫られています。

 「海外のメンタルヘルス・ケア ILO・EU」
 「海外のメンタルヘルス・ケア」
 「いじめメンタルヘルス労働者支援センター」ホームページ・ご相談はこちらから
この記事のURL | いじめ・差別 | ▲ top
| メイン |