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「いじめ・いやがらせ」相談が13.9%
2011/05/27(Fri)
5月27日(金)

 5月25日、厚生労働省は各都道府県労働局、各労働基準監督署などに設置している総合労働相談センターにおける『平成22年度個別労働紛争解決制度施行状況』を発表しました。
 総合労働相談件数は1.130.234件で、過去最高だった昨年度より0.9%減っています。民事上の個別労働紛争相談件数も246.907件で過去最高だった昨年度より0.2%減っています。助言・指導申し出件数は7.692件で1.1%減、あっせん申請受理件数は6.390件で18.3%の激減です。
 民事上の個別労働紛争相談件数の内訳をみると「解雇」に関するものが60.118件で21.2%(昨年は24.5%)、「いじめ・いやがらせ」が39.405件で13.9%(昨年は12.7%)、「労働条件の引き下げ」が37.210件で13.1%(昨年は13.5%)で、これだけで半分近くになります。以下「退職勧奨」9.1%、「雇止め」4.9%と続きます。
 東京、神奈川、大阪には労働局のほかにも行政機関として労働相談を受けている部署があったり、個別紛争への対応を労働組合からの申立ではなくても受理している労働委員会もありますので、実際に相談にまで至っている労働紛争はかなりの数になります。
 さらに紛争には含まれなくてもメンタルヘルス等の相談窓口は都道府県ごとの地域産業保健センターなどもあります。2008年度には約8万人が健康相談窓口を訪れました。しかし昨年4月からの地域産業保健事業のあり方の変更により10の府県においては取り組みの強化ではなく事業仕分けの対象になりました。

 労個別労働紛争解決制度施行状況は、法律施行後の2002年から報告が行われています。労働政策研究・研修機構は、今年3月に2009年度から2011年度までの紛争処理事案の内容分析をしています。
 それによりますと、「退職勧奨」の案件の中にも「職場環境型(広義のいじめ・嫌がらせ)」・非解雇型雇用終了事案が3分の2を占めます。暴言・暴力、馬頭などの物理的暴力によるものです。

 メンタルヘルス事案は相談内訳分類にはありませんので雇用終了事案や嫌がらせ事案に含まれます。
 メンタルヘルス事案のあっせん申請受理件数69件のうち73.9%がいじめ・嫌がらせです。メンタルヘルスの問題といじめ・嫌がらせ事案は密接な関係にあります。なおかつメンタルヘルス事案は、どちらかというと大企業の正社員が主としていじめ・嫌がらせを受けて発生しています。
 あっせん申請の終了区分は、「合意成立」が39.1%、「取り下げ」が8.7%、「被申請人の不参加による打ち切り」が21.7%、「不合意」が30.4%です。解決に漕ぎ着けるのが難しい状況が見えてきます。
 困難は発症の原因を巡って労使双方に争いがあり、大きな障害になっています。
 では「合意成立」における解決金額はどれくらいか。10万円以下が3.7%、20万円以下が22.2%、30万円以下が14.8%、40万円以下が22.2%、50万円以下が3.7%、100万円以下11.1%、500万円以下7.4%、1000万円以上が11.1%です。50万円以下が3分の2を占めます。
 決して高い数字ではありません。

 ちなみに、全体の解決金額もそう高いものではありません。
 総合労働相談件数と比べて民事上の個別労働紛争相談件数、助言・指導申し出件数、あっせん申請受理件数が桁を減らした数字になっているのと合わせて、現在の個別労働紛争解決制度の使い勝手の悪さが物語られています。

      "当センター「いじめ・メンタルヘルス労働者支援センター」のホームページ・ご相談はこちらから"
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