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2月19日 ~講演とシンポジウム~ 報告
2011/02/22(Tue)
2月22日(火)

 2月19日、「職場のいじめ・メンタルヘルスを考える ~講演とシンポジウム~」が全国から60人の参加で開催されました。

 主催者挨拶に続いて労働安全衛生センター連絡会議議長・いじめ メンタルヘルス労働者支援センター顧問の天明佳臣医師に講演をしていただきました。
 天明医師は、産業医の経験を踏まえ、労働者が置かれている現状と精神疾患に罹患する原因をデータを駆使して解説をしてくれました。また労災認定が少ない原因について、「現在の判断基準は『ストレス―脆弱性理論』を巧みに利用して『相対的有力原因説』を根拠にしているから」「労働者個々の業務状況を相対化してしまう『同種労働者基準理論』で扱うから」と問題点を指摘しました。
 労働者の体調維持のためには、慢性疲労はいきなり慢性化するのではないので、まず急性疲労の1週間以内の早期回復対策を行う必要があると問題提起しました。
 続けて工藤仁美民主党衆議院議員から挨拶を受けました。議員になる前はユニオンの委員長でもあった工藤議員とは、これまでも懇親を続けています。いじめガイドライン制定要求等の課題については今後も連携して運動を進めていくことを確認し合いました。
 シンポジウムに移りました。
 まずパネラーの金子雅臣さん(職場のハラスメント研究所・所長)、森崎巌さん(全労働省労働組合委員長)、東海林智さん(日本新聞労働組合連合委員長)に、それぞれの立場から現在の労働者の置かれている状況をどう捉えているか話をしてもらいました。
 金子さんは、以前と比べると上司、同僚、労働組合それぞれが変わった、以前は助け合いがあったが今は弱い者に向かってパワハラが行われると指摘しました。そして自治労10万人調査の分析結果として、“パワハラは仕事の中で起きている”状況を報告しました。
 森崎さんは、この間の労働現場の変化として「人を雇う」ということに変化が起きたと指摘しました。転機は派遣法で、人を雇って育てるのではなく「いい人いませんか」や「ひと山いくらでの人集め」が行われるようになっています。また労基署等の相談窓口から見えてくる問題として貧困と関連した相談が増えていると報告をしました。
 東海林さんは、新聞労連として相談を受けた事例を紹介しながら、最初から無理な課題を押しつけて“無能”という評価をし、“人間を壊して”解雇する事例が増えていると指摘しました。また各新聞社で5%は身体不調で退職していると報告しました。

 では解決に向けて労働者、労働組合はどうしたらいいかという討論に移りました。
 金子さんは、調査の中では労組に対する期待は大きかったことを踏まえて、職場環境の問題と捉えて包み込める体制作りの必要性を提案しました。また起きている問題について、パワハラだとジャッジをしていける人権感覚を磨かなければならないと指摘しました。そしてどういう職場を作っていくかという課題を設けて挑戦しなければならないと結びました。
 森さんは、労働は変化しているが雇用関係の中で信頼関係や尊重を社会に根付かせて行かないと変わらない、例えば労働者を人間扱いしないトライアル雇用などは止めさる必要があると指摘しました。そしてそれぞれの相談窓口は部分的対応しかできていないが、関係機関・団体が気づいて繋げるネットワークを作る必要があると提案しました。
 東海林さんは、新聞労連はスローガンに「奪われたものは奪い返す、働くことの尊厳を奪い返す。人間は商品ではない」を追加して頑張っていることを紹介しました。そしてどこの職場であれ、1人でもメンタルヘルスの不調者が出たら、人間関係を含めて職場の再点検をしようと呼びかけていると報告しました。   

 この後、会場からの質問にパネラーから回答してもらいました。
 金子さんは、いじめガイドラインについて「使用者も内部矛盾を抱えている、いじめなどを規制したいけど何をどう規制したらいいかわからない。やはりガイドラインは必要」と経験を披露しました。森崎さんは、いじめをなくす責任は使用者にあることを確認したうえで、つらいということを伝える必要があると提案しました。東海林さんは、いじめに遭った場合ICレコーダーに録音し、相手が冷静な時に聞かせることを提案しました。

 職場のいじめにどう対処したらいいか、その解決策の方向を探る講演とシンポジウムは3時間半に及びました。参加者それぞれが今後活動するうえで示唆に富む発言がたくさんありました。


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