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新聞報道の反響
2010/12/28(Tue)
12月28日(火)

 一昨日、『毎日新聞』でセンターが紹介されました。
 記事には土日は休みとありましたが、さっそく日曜にも電話での相談がありました。またメールでの相談も届いています。全国版だということで全国から反響がありました。
 月曜日は10時を過ぎると電話が鳴り出しました。北は青森から、南は宮崎までです。
 内容は復職問題、いじめに遭遇している、退職勧奨されたなどなどです。職場の殺伐とした状況が伝わっていきます。会社の都合に労働者の健康状態を合わせようとしています。

 年内最終出勤日だった夜に突然メールで「休職命令」を出した会社があります。命令を出した側はそれで仕事納めかもしれませんが出された側はどうしようもない不安のなかで年を越します。せめてお正月ぐらいはみんな穏やかに過ごそうという風習もなくなったようです。他者への思いやりもありません。
 全国版に載ってよかったことは、ある地方で青年労働者がいじめによるうつ病罹患から自殺未遂をし、その後寝たきりになっている関係者から電話があったことです。職場では箝口令が敷かれ、地方ということで相談もままならない中で、医療費を含め家族の今後についても不安があったがこの数か月間どうしようもなかったということでした。
 いじめによるうつ病罹患からの自殺行為は自殺ではありません。間接的殺人行為です。そうとらえ家族が労災申請や損害賠償訴訟に進む方法があることをアドバイスしました。

 もし、センターに電話をかけてきた人が電話で話を聞いてもらっただけででも少しは緩衝剤になったとしたら嬉しい限りです。そのことで少しは健やかな新年をむかえることが出来たとしたらタイムリーでした。

 労働相談を受けていると、毎年、年末年始は落ち着きません。
 「1年を振り返って……」などという言葉が出てきたり、31日に「紅白歌合戦」を観ていると、その1年に自分が相談を受けた相談者のことが次々に浮かんできます。もっといい解決が出来なかったか、ちゃんと新年を迎えることができるかなどなど。

 数年前、SMAPが歌った『世界に一つだけの花』は肩の力を抜いて、自分を大切にして生きていこうよと呼び掛けていました。

  「ナンバーワンにならなくてもいい もともと特別な オンリーワン」

 この歌詞を聞いた時は同意・納得しきりでした。  


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クリスマスが来ると思い出す派遣村
2010/12/24(Fri)
12月24日(金)

 クリスマスが近づくと思い出します。
 一昨年の今頃、日比谷派遣村実行委員会の連絡先事務所にはどんどん支援物資が届き始めました。米、野菜、餅、果物、お屠蘇用の酒、衣類、カンパ金などなど。連絡先のポストには、100万円入りの封筒が2通投げ込まれました。
 そのような状況を見ていて、大げさにでなく社会の“地殻変動”を感じました。派遣切りされた労働者の大変さだけでなく、それぞれ自分にできることで支援しようという全国の人たちの思いが伝わってきました。「自己責任」で何とかなる社会だとは誰も思っていませんでした。
 日比谷公園の運営はパニック状況だということで、6日間、連絡先事務所の留守番を買って出てました。
 31日の夕方、緊急連絡と手で持てる限りの荷物を持って日比谷公園に届けようとタクシーに乗り最寄の駅に向かった時のことです。「今から帰省ですか」と運転手が聞きます。「派遣村に荷物を届けるんです」と答えました。すると運転手が話し始めました。「私も実はこの10月まで派遣労働者だったんです。10月に大手自動車会社の採用試験を受けたら落ちたので、ちょうど資格が取れたので今の会社に入社しました。採用されていたら今頃解雇になっていました」。つい「落ちてよかったですね」と答えてしまいました。
 「落ちてよかったですね」とはおかしな会話です。しかし「雇用の流動化」とは労働者にとってチャンスではなく運命に愚弄されることなのです。
 努力しても報われない、個々人の労働者の努力ではどうしようもない状況は今も続いています。

   
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JR西日本福知山線脱線事故は会社の責任
2010/12/21(Tue)
12月21日(火)

 2005年4月25日に発生したJR西日本福知山線脱線事故の裁判が始まりました。前社長が、自動列車停止装置(ATS)を設置しなかったことが業務上過失致死傷罪に問われています。
 前社長は、事故は想定できなかったと主張しています。しかしそんな言い逃れができるのでしょうか。
 事故は、自動列車停止装置(ATS)を設置しなかった会社や、ブレーキをかけるのを怠った運転手にだけ責任があるのではありません。

 国鉄分割民営化は、職員の雇用・生活から安心・安定を奪い、事業においても事故を多発させました。利用者から生活の糧の線路を奪った地方もありました。雇用や生活不安に落とし込めることは最大の“いじめ”です。
 まさしく国策による社会全体の「安全の分割民営」でした。その延長線で事故は起きたのです。
 運転手が遅れを気にして無理にスピードアップしたことが原因だと言われています。しかし運転手は遅れると「日勤教育」に名を借りた人権無視の精神主義的教育を受けなければならないことを恐れていました。“いじめ”そのものです。

 労働者が不安の中で仕事をする、それが事故と隣り合わせであることは誰でも知っていることです。JR西日本はそれを“積極的に”推し進めました。だから責任は経営陣にあります。
 事故を起こした運転手は被害者です。しかし国鉄分割民営化に反対していた労働組合や関係者からのその声は上がりませんでした。本当に小さなある労働組合の機関紙には「亡くなられた乗客と運転手のご冥福を祈ります」とありました。

 国鉄分割民営化=「安全の分割民営」化の波及は、社会全体の不安を増増加させ、ストレスを増大させました。その具体的状況の一例が鉄道労働者への利用者からの理由のない暴力行為の増化です。
 今、サービス業や行政機関の労働者が利用者のサウンドバックになっています。人としての尊厳が奪われた、奪い合っている社会になっています。


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『生きずらさ』について一緒に考えようシンポジウム報告記事
2010/12/16(Thu)
12月16日(木)

 12日に開催された「『生きずらさ』について一緒に考えよう」と題したシンポジウムの報告記事が新聞に載りました。
 その中に、「自殺対策に取り組むライフリンクの清水康之代表は『政治主導で自殺対策もにわかに動くのではないかと思ったが、今は夢から覚めた。コツコツやるしかない。自死を語れる場をつくっていく。自殺対策の根本は生きる支援だ』と話した」とあります。
 この間の清水さんの活動は本当に一生懸命でした。しかし自殺者数が増加するのを防いだとも言えますが、減少していないのも事実です。
 おそらく清水さんが政府の内側に入っても、政府は口先だけで動かなかったのでしょう。しかし、全国での取り組みは拡大し、自殺に対する偏見も小さくなっています。
 政府のやることは何事もそんなものと諦めるのも簡単ですが、行動した成果として啓蒙や自治体の取り組みなど「亀の歩み」があったことも認識しなければなりません。本当は、「途中で寝ないウサギの跳び」を期待したいのですが。来年はウサギ年です。寝てはいけません。

 数年前、核兵器廃絶を願う長崎の高校生が国連に届ける署名運動を始めました。予想したようには集まりません。しかし彼らは実感しました。「微力だけれど無力ではない」
 長崎での運動は全国に広まって続いています。


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『こころと福祉の相談会inかわさき』に参加して
2010/12/11(Sat)
12月11日(日)

 『朝日新聞』の「朝日歌壇」に

   休職後復帰プログラムをこなされた先生 復帰し そして自死する

の投稿が載っていました。

 それを読みながら川崎市で開催された『「ひとりで悩まないで一緒に考えよう」こころと福祉の相談会inかわさき』に労働現場の視点からのパネラーとして参加しました。
 神奈川県は、3年前から自殺防止対策の取り組みを開始し、毎年県内3か所で催しを行っているのだそうです。
 最初に岩手医科大学の大塚耕太郎講師の「地域における自殺対策 ~岩手県久慈地域の実践報告」の講演。行政、医療関係者、専門職などの横の繋がりでの取り組みの様子が報告されました。
 知恵と工夫を持ち寄った難しくない実践です。老人たちにとっては「話し合いができる場」のハード面とソフト面での保障が孤独を解消させ、むしろ生き生きと生活させています。その様子がスクリーンから伝わってきました。
 多重債務問題に取り組む弁護士、自殺を含めた相談活動を地域で行っている団体、精神科の医師等から報告と提案が行われました。

 労働現場の視点からの報告は、一昨年NPO法人自殺対策支援センターライフリンクが発表した『自殺白書』の「実態調査」資料を使用して行いました。
 1人の自殺の背景には平均4つの「危機要因」があります。自殺は、ある要因が発生し、それがまた別の要因を引き起こし、要因が連鎖して起きています。そのプロセスを「危機経路」と呼びます。
 例えば、被雇用者の事例としては 
  ①配置転換→過労+職場の人間関係→うつ病→自殺
  ②昇進→過労→仕事の失敗→職場の人間関係→自殺
  ③職場のいじめ→うつ病→自殺   
 離職者(就労経験あり)の事例としては
  ①体調疾患→休職→失業→生活苦→多重債務→うつ病→自殺
  ②帯保証債務→倒産→離婚の悩み+将来生活への不安→自殺
  ③犯罪被害(性的暴力)→精神疾患→失業+失恋→自殺
 つまり、自殺は起こされているということであり、この「危機経路」の手前での取り組みで防ぐことでできると いうことになります。
 そのためには何が必要か。やはり弱音を吐ける「仲間」です。


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