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「部外職場暴力」 に早急な対策を
2017/07/14(Fri)
 7月14日 (金)

 厚労省で5月19日から 「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」 が開催されています。
 開催趣旨です。
 「近年、都道府県労働局において、職場における 『いじめ・嫌がらせ』 の相談件数が増加しているなど、職場のパワーハラスメントが大きな問題となっており、働く方々が健康で意欲を持って働くためには、労働時間管理 やメンタルヘルス対策だけではなく、職場のパワーハラスメントを防止する必要がある。こうした中で、働き方改革実行計画 (平成29年3月28日働き方改革実現会議決定) において、『職場のパワーハラスメント防止を強化するため、政府は労使関係者を交えた場で対策の検討を行う。』 こととされた。これを受け、有識者と労使関係者からなる検討会を開催し、実効性の ある職場のパワーハラスメント防止対策について、検討を行う。」
 検討事項です。
「(1) 職場のパワーハラスメントの実態や課題の把握
 (2) 職場のパワーハラスメント防止を強化するための方策
 (3) その他」
 第1回検討会は委員全員が意見を述べました。そのなから特徴的意見を紹介します。
 連合東京副事務局長内村委員です。
「この検討会の中では、基本的には防止をしていこうということが大きなテーマだと思いますが、たくさんの事例がやはりあります。先ほどから出ている中身にもありますが、最近では特に多くなってきているのは評価です。要するに、人事評価などできちんとした評価がされない、これもいわゆるパワハラではないかというようなことも含めてです。何かちょっとしたことがきっかけで、上司の考えていることと違うことを発言したことがきっかけで、いきなり対応が変わるというケースなど、いろいろなケースがありますので、その現場の声というか、働いている労働者の声を、労働者の代表として、これからこの検討会の中で発言をしていけたらいいなと思っております。」

 7月4日の 「活動報告」 で触れましたが、労働政策研究・研修機構は2011年度に全国の都道府県労働局にあっせん申請がおこなわれた 「いじめ・嫌がらせ」 の事案284件を調査して2015年6月に報告書 「職場のいじめ・嫌がらせ、パワーハラスメントの実態 -個別労働紛争解決制度における2011年度のあっせん事案を対象に-」 を発表しました。
 そのなかに、厚生労働省はパワハラの概念規定・定義を行い 「職場のパワーハラスメントの行為類型」 を6類型の示しましたがそれらには含まれない 「経済的な攻撃」 の類型を挙げています。
 最近、人事評価において規定・規則に則さないで、指導・教育という名目で労働者のプライドを傷つけて退職強要に追いやる手法が横行していいます。まさしく 「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」 職場のパワーハラスメントそのものです。

 UAゼンセン日本介護クラフトユニオンの浜田委員です。
「介護の現場の、ヘルパーさんであるとかケアマネさんの労働組合です。……
 また、概念とか定義からすると少し外れてはしまうのですが、現場ではパワハラだろうがセクハラだろうが、嫌なこと、困ったことなどいろいろな相談がくるのですが、その中には実は、特に流通とか介護の現場では多いのですが、顧客であるとか、利用者家族からのハラスメントも実は無視できない状態です。例えば、しばらく前に有名になりました、土下座をさせられるであるとか、大声で長時間叱責されることもあったり、介護現場では、家族の方からの叱責があったりであるとか、いろいろな問題があるのです。実は、相談を受ける側としては、やはり労働者を守るという意味では無視できない実態が実はあるのだということです。この一定程度進まないという部分を、これまでの取組の延長線上で現状を変えられるかということを考えますと、一定程度存在するパワハラ防止対策が進まない企業を、もう少しこの検討会では、今後の法整備に向けた、これまでよりもステップアップした対応についての議論が必要ではないかと考えております。」

 第2回検討会に資料として公益財団法人介護労働安定センター作成の 「介護労働者が過去1年間に受けた利用者からのセクハラ・暴力等の経験」 が提出されました。訪問系8.332人、施設系 (入所型) 4.888人、施設系 (通所型) 6.525人への調査結果です。
 それによると、暴言 (直接的な言葉の暴力) は、訪問系21.0%、施設系 (入所型) 39.8%、施設系 (通所型) 22.3%、利用者から介護保険以外のサービスを求められたは、訪問系27.5%、施設系 (入所型) 5.2%、施設系 (通所型) 12.3%、暴力は訪問系5.6%、施設系 (入所型) 32.1%、施設系 (通所型) 12.5%、セクハラ (性的嫌がらせ) は、訪問系8.0%、施設系 (入所型) 9.0%、施設系 (通所型) 10.8%、家族から介護保険以外のサービスを求められたは、訪問系14.5%、施設系 (入所型) 3.9%、施設系 (通所型) 6.2%が経験しています。
 労働者の安全が脅かされた、放置できない深刻な問題が存在します。


 利用者からのセクハラ・暴力等のようないわゆる 「部外職場暴力」 ・第三者からの暴力については、実は、11年7月8日から開始された 「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」 の第1回においても問題提起がおこなわれました。
 ブールミッシュ代表取締役社長の吉田委員の発言です。
「……これらとはまた別に、私どもが今、一番悩んでいるのは、お客様による私どものスタッフへのいじめ・嫌がらせと言いましょうか、これは新しい切り口だと思います。日々、いろいろな方に接しておりますと、言葉は悪いですが、やや粗暴な方などがいらっしゃるんですね。でも、そういった方たちは割と扱いやすいと言ったら語弊がありますが、ガス抜きすると大体終わります。
 一番困ってしまうのは、……おばちゃま、……これも嫌がらせと言うか、パワハラと言いましょうか、物事を上から目線で見たときに必ず起きますね。私は客よ。何、今の言葉遣いは。お宅様のお嬢様はいかがでしょうと聞きたくなる場合もあるんですけれども、そんなことを言ったらえらいことになってしまいますから、これも本当に大変な問題です。」

 しかし2012年3月15日に発表された 「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」 (「提言」) ではとりあげられていませんでした。

  「部外職場暴力」 ・第三者からの暴力についてはILOなどでは 「職場の暴力」 (Violence at work) として、韓国では 「感情労働」 としてかなり前から議論が積み重ねられています。
 2010年9月30日欧州社会対話は 「労働に関連した第三者暴力及びハラスメントに対処するための他部門ガイドライン」 を締結しました。そのなかで第三者暴力の形態を示しています。
「4.労働関連第三者暴力及びハラスメントは、多くの形態をもつ場合がある。それには以下である可能性がある。
 a) 身体的、精神的、口頭によるもの及び/または性的なものである。
 b) 個人または集団による一度限りの事象またはより系統的なふるまいのパターンである。
 c) 依頼人、顧客、患者、サービス利用者、生徒または親、一般の人、またはサービス提供者の行動
  またはたちふるまいから生じる。
 d) 失礼な事例から、より深刻な脅迫や身体的襲撃にまで及ぶ。
 e) メンタルヘルス問題から、および/または、感情的理由、個人的好き嫌い、性差、人種/民族、
  宗教や信念、障害、年齢、性的思考または身体のイメージにもとづく偏見に動機づけられて生じる。
 f) 組織されたまたは機械的なものかもしれず、または公的機関による介入を必要とするかもしれない
  労働者及び彼・彼女の評判または労働者や顧客の財産を狙った刑事犯罪を構成する。
 g) 被害者の個性、尊厳及び人格に深い影響を与える。
 h) 職場、公共の場所または私的な環境で起こり、かつ、労働に関連している。
 i) 幅広い情報及びコミュニケーション技術を通じたサイバーいじめ/サイバーハラスメントとして。
  起こる。」 (全国労働安全衛生センター発行 『安全センター情報』 2012年4月号)

 日本でも、サービス部門だけでなく災鉄道部門、医療関連部門そして行政機関の窓口で事件が発生しています。しかし対策は遅れています。
 では、実際に 「部外職場暴力」 に直面した時、労働者や周囲の者はどう対応したらいいでしょうか。
 対策は、ILOや韓国のサービス連盟が具体的に提案していますが、労働者・消費者・政府・企業それぞれの役割があります。クレームや攻撃は起こることを前提に対策を取る必要があります。
 まず企業・使用者は、トップから労働者を守る姿勢をはっきり示す必要があります。最終的責任はトップが負うというアピールが必要です。そのうえでトラブルが発生した時のサポーター体制を確立しておくことが必要です。ましてやそこでのトラブルを評価の対象にしないことが必要です。そうすると労働者は安心して対応できます。これは厚生労働省の 「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」 (「提言」) と同じです。
 しつこいクレーマー等にははっきりと 「業務妨害」、「暴力」 であると提示し、企業・使用者は労働者に、顧客との対応を拒否する決定権限を与えることが必要です。
 韓国で 「感情労働者に不当要求拒絶、謝らない権利を付与せよ」 を遂行することの一番の効果は、労働者の尊厳を守り、心身の安全を守り、労働環境が改善されることです。
 クレーマーは一歩譲歩すると二歩付け込んできます。クレーマーの顧客が減っても企業の売上高は大きく減少しません。むしろクレーマーに対応している時間はチャンスロスが発生しています。

 そのうえで労働者は、心構えが必要です。
 ・自分に向けられたものだとは思い過ぎない。
 ・相手の社会に対する不満がたまたま自分に向けられていると理解する。
 ・相手の感情に巻き込まれない。弁解しない。その方が早く終了する。
 ・後で誰かにその時の状況を、感情を含めて話して聞いてもらう。
 ・終了したら休息をとる。
 ・体験を共有化する。

 職場のトラブルが治まったからといって解決したということではありません。対応した職員へのいわれのない攻撃、正義感、価値観、自尊心への攻撃は放置したら傷は癒えません。労働者としての誇り、労働の誇り、喜びを奪われます。身体的打撃を受けた場合はトラウマに襲われて労働が恐怖になることもあります。有能な労働者を失うことになります。
 職場や上司は安全を確保された1人きりになれる空間で、十分な時間を確保して心の整理をするための休養を保障する必要があります。
 人格の回復のための心のケア、同僚等の支援が必要です。労働者の言い分を聞き直し、恐怖心を吐露させ、対応の正当性を共有しあって回復に向かわせる必要があります。
 そして職場として発生した問題をとらえ返した整理し、今後の対策を確認します。


 「部外職場暴力」 の実態は早急に対策が必要な状況になっています。
 現在開催されている 「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」 では、この問題についても踏み込んだ議論を行なってほしいと思います。

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ヘイトスピーチ  「許されなくてもいいから二度としないと決めてほしい」
2017/06/20(Tue)
 6月20日 (火)

 ヘイトスピーチ対策法が公布・施行されてから6月3日で1年が経ちました。正式名称は 「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」 です。日本で初めて人種差別解消を目的とする法律です。
 目的は、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消が喫緊の課題であることに鑑み、その解消に向けた取組について、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、基本的施策を定め、これを推進すること」 です。
 ヘイトスピーチの定義は、「専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの (以下この条において 「本邦外出身者」 という。) に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動」 です。
 そしてヘイトスピーチは 「許されない」 と宣言し、国に相談体制の整備などを通じて差別的言動の解消に取り組む責務を、地方自治体には努力義務を課しています。憲法が保障する表現の自由に配慮して、罰則や禁止規定は設けていません。
 自治体がデモや集会のための公共施設の利用を認めるかどうかを判断する指針の1つになります。

 法務省はどんな表現がヘイトスピーチにあたるか具体例を 「参考資料」 にまとめて自治体に示しています。
 典型的な例です。「脅迫的言動」 として 「○○人は殺せ」 「○○人を海に投げ入れろ」、「著しく侮蔑する言動」 として 「特定の国・地域の出身者について 『ゴキブリ』 などの昆虫、動物、物に例える。このほか、隠語や略語が用いられたり、一部を伏字にしたりするケースもある」、「地域社会から排除することを扇動する言動」 として 「○○人はこの町から出て行け」 「○○人は祖国に帰れ」 「○○人は強制送還すべきだ」 などです。その上で、背景や前後の文脈などの諸事情によって 「どのような意味が含まれる言動か考慮する必要がある」 としています。

 成果も出ています。
 大阪市は昨年7月1日にヘイトスピーチの抑止を目的とする大阪市条例を施行しました。これまでに申し立てなどがおこなわれた27件が有識者の審査会に諮問されています。内訳は市民らからの申し立てが21件、6件は情報提供を受けた市が職権で諮問しました。そのうちの4件がヘイトスピーチと認定され、審査途中で取り下げられた1件を除く22件が審査中です。
 審査会の開催ペースは月1回です。認定された4件は、事実確認や申し出人の意見陳述、デモなどの主催者からの意見書提出などを受けた審査に9~11カ月かかっています。迅速化が課題になっています。また、通信の秘密や個人情報保護が壁となり、行為者の特定には至っていません。
 川崎ではヘイトスピーチに反対するカウンターデモなどがおこなわれ 「共に生きる町」 づくりがおこなわれています。


 しかし、法の 「本邦外出身者」 という定義は限界がでています。例えば、昨年10月、沖縄・高江で大阪府警の機動隊員が米軍ヘリパッド建設に抗議する市民に、「どこつかんどるんじゃ、ぼけ、土人が」 と発言したことが報道され、当該の機動隊員も認めました。これに対して大阪府の松井知事はツイッターに 「ネットで映像を見ましたが、表現が不適切だったとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたことがわかりました。出張ご苦労様。」 と書き込みました。さらに 「差別と断定できない」 とする閣僚の発言を閣議決定で支持しました。
 ヘイトスピーチは、沖縄の人びとやアイヌ民族、国内のマイノリティーなどにたいしては容認されている状況があります。人権保護法にはなっていません。

 3月30日の.BuzzFeed Japan.は 「照ノ富士への 『モンゴル帰れ』 に広がる波紋」 の見出し記事を載せています。
「3月26日、スポーツ報知はウェブサイトでこんな見出しの記事を配信した (現時点で見出しは変わっている)。
 『照ノ富士、変化で王手も大ブーイング! 「モンゴル帰れ」』
 記事によると、優勝を争う照ノ富士が立ち合いで変化し、はたき込みで琴奨菊を破った際、観客から飛んだ 『ブーイング』 を見出しにして報じたものだ。
 この後、土俵にあがった同じモンゴル出身の横綱日馬富士は場内の雰囲気をこう表現している。
 『照ノ富士へのブーイングが止まらず 「オレが土俵に上がってるのに、すごい言葉を言ってくるから」 と戸惑った』
 『相撲を取るどころじゃなかった。集中してるけど耳に入ってしまう。次の一番に集中してる人のことも考えてほしい。大けがにもつながるから』 (日刊スポーツより)」
 「日本人横綱」 などの合唱は排除を期待する間接的ヘイトスピーチです。ヘイトスピーチは、無意識のうちに本音が登場し、いつのまにか危険に転化ていきます。

 また適用範囲も差別的言動に限られています。それ以外の人種差別、例えば就職差別や、入居差別などの差別的取り扱いは対象外です。基本的人権、人格権の本質的捉え返しがおこなわれていません。
 基本的人権、人格権は表現の自由に勝るものです。配慮は基本的人権、人格権を否定することです。今後、人種差別解消を目的とするヘイトスピーチ法をより実効性の高いものに、そしてあらゆる人種差別撤廃、人権保護を対象にしたものに変えていく必要があります。


 6月2日の毎日新聞に、証言 「ヘイトスピーチ 『失うものばかり』 後悔の元 『突撃隊長』」 の見出し記事が載りました。抜粋します。
「12年、ヘイトデモは代表的なコリアンタウンである東京都新宿区の新大久保でも行われるようになった。常連参加者が 『お散歩』 と称し、店舗や買い物客に罵声を浴びせながら練り歩く。ある時、地域住民や商店を攻撃することに抵抗感を覚え、メンバーに 『まずいんじゃないか』 と話した。すると 『敵の味方をしやがって』 『裏切り者、スパイ』 と糾弾された。
 週末のデモに月2回程度参加するうち、友人が増えた。デモの場が 『居場所』 となっていた。意見の対立でデモの場を失い、友人関係が終わってしまうことがひたすら怖かった。
 他のメンバーが 『過激なデモはおかしい』 と意見を述べたこともあった。男性は逆に、『あいつはスパイで情報を流しているかもしれない。気をつけろ』 『あいつは在日じゃないか』 などと吹聴し、ついにはそのメンバーを追い出してしまった。仲間に合わせないと自分が標的にされるという恐怖心がそうさせた。」

「男性はデモで過激な振る舞いができた理由について、道路使用許可とデモ隊を囲むように配置された多数の警官の存在を挙げた。『使用許可を取っているから、「表現の自由」 を盾に何を言っても許されると思っていた。デモに反対する人が迫ってきても、警察官が守ってくれるという安心感があった。自分たちが優位にいる感覚だった』」

 逮捕を契機にデモから疎遠になったことが 「カウンター側とつながっているのでは」 と疑いの目を向けられるようになり、結果的にヘイトデモのメンバーとの関係は終わります。
「男性の窮地を救ったのは、カウンター活動をする在日コリアン2世の男性 (52) だった。ツイッターでメッセージを男性に送った。『脅迫とか嫌がらせがあったらなんでも言ってこいよ』。嫌がらせに屈して、再びデモに戻らないでほしい一心だった。
 その言葉に男性は 『自分が攻撃してきた在日コリアンがなんでこんなことを言ってくれるんだろう』 と信じられない思いだった。正直、ありがたくもあり、申し訳なくもあった。この言葉をきっかけに、自身を省み始めた。どうしたら許されるのか、尋ねた。返信があった。『許してもらおうと考えるのではなく、自分が何をしてきたかを書き連ね、許されなくてもいいから二度としないと決めてほしい』」
「男性は過去の自分に向き合うため、カウンターの人たちと連絡を取り、面会した。取り返しの付かないことをしてしまい、ただただ申し訳ない、と伝えた。『してきたことを忘れないで、幸せになりなさい』 『出会いを大切にして』。掛けられた言葉に涙が頬を伝った。」

「いま、自らに課していることがある。身の回りにヘイト発言をする人がいたら注意する。そして、自分の行動が人を傷つけていないかどうかよく考える。二度と思い込みで行動しない、と。」
 差別は、差別をする側もされる側も傷つけます。差別された者の自己を喪失させ、抵抗力を奪い無力化します。 
 彼は他者の力を借りて強い人間として生まれ返ることができました。


 ヘイトスピーチは差別されている者たちが他の差別されている人たちを攻撃しているといわれたことがありました。しかし今参加しているのは 「普通の人たち」 です。
 現在の政府は小さな政府、「自己責任」 を標榜します。それに対して人びとはどのような防衛策をとることができるでしょうか。強いものに依拠することです。身近で異論を発する者は共同体を壊す危険なものとして排除しないと自分たちを防衛できないという不安が生まれてきます。危険なものに対する戦いが不安な自分たちを強いと思い込ませます。

「なぜ、アメリカ人が自分たちのアンダークラスを非難するかといえば、それは、アンダークラスが抱く夢や望む生活のモデルが、不思議なほど自分たちと似ているためである。 ピーター。タウンゼントが指摘するように、貧民を不満足な消費者という鋳型に押し込むものは消費社会の論理である。……
 あらゆるタイプの社会秩序が、そのアイデンティティを脅かす何らかの危険なもののビジョンを生み出す。それらのビジョンは、全体として、それを生み出した社会のミラーイメージとなる傾向があるのに対し、脅威のイメージはマイナスの記号を持った社会の自画像となる傾向がある。あるいは、これを精神分析の言葉に置き換えると、脅威は、社会のあり方やその手段、つまり、社会が存在し、その生存を持続させる方法をめぐる、社会自身の内部の葛藤の投影である。その存在様式を存続させる自信のない社会は、包囲された要塞のメンタリティを発達させる。その壁を取り囲む敵は自分自身であり、『内部の悪魔』 である。つまり、日常の現実を耐えられるものにするために、日常生活の 『状態』 に浸透する、抑圧されたもの、つまり、周囲全体に漂う恐怖心を、日常性から搾り出して、異質なものに成型しなければならない。人が戦ってはまた戦って、征服してしまいたいと望む有形の敵の姿に。」 (ジグムント・バウマン著 『新しい貧困』 青土社)

「(アメリカの社会学者) ハーバート・ガンスによれば、『幸福な階級が貧しい人々に対して抱く感情は、恐怖心と怒りと反発が入り混じったものだが、そのなかでも恐怖心がもっとも重要なのかもしれない』。実際そうした充満した複雑な感情は、その恐怖心が強烈で本当の意味で恐ろしいものである場合には、動機としても、政治的にも有効である。」 ( 『新しい貧困』)
 ヘイトスピーチは人びとの分断にも利用されています。

 意見がちがう他者をもお互いに認め合い、共存共生を推し進めることが安全・安心を保障します。カウンターが掲げる 「仲間じゃないか」 のスローガンこそが本物の強い社会をつくります。

   「活動報告」 2016.10.21
   「活動報告」 2016.6.3
   「活動報告」 2016.2.5
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「再発防止の取り組み」 は会社の財産になる
2017/05/23(Tue)
 5月23日 (火)

 前々回は企業調査結果、前回は従業員調査結果を紹介しました。そのなかから特徴的なことを探ってみます。

 職場のいじめの内容は社会の動向とともに変化します。
 米国の企業などで苦情処理や問題解決にあたる制度 (組織オンブズ) のオンブズパーソン協会の元会長ニコラス・ディールさんが労働政策研究・研修機構 (JILPT) の研究会でおこなた講演がJILPTの17年3月の 「フォーカス」 に 「オンブズパーソンによる職場の苦情処理と問題解決」 のタイトルで載っています。その抜粋です。
「ハラスメントは問題として新しいものなのか、それとも問題としては長い間存在していたものが、最近になって前面に出てきたものなのか。おそらく長く潜在的に問題であったものが、社会が変わっていくなかで、顕在化してきたのだと思う。」
「管理職の役割にも変化が生じてきている。紛争を解決することや部下を守ることがその責務として加わってきていると思う。歴史的にはこういった責任は少なかったのではないか。法的にもそのような責任が出てきていると思う。まだ倫理的義務という段階だが、少しずつ法的義務の方に向かっている。職場でハラスメントを解決することが管理職の役割として加わってきている。」
 このことが実感される調査報告書でした。

 企業についての調査結果です。
「パワーハラスメントが職場や企業に与える影響として当てはまるとお考えのものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問についてです。(回答4.587社)
 「職場の雰囲気が悪くなる」 93.5%、「従業員の心の健康を害する」 91.5%、「従業員が十分に能力を発揮できなくなる」 81.0%、「人材が流出してしまう」 78.9%、「職場の生産性が低下する」 67.8%などです。

 パワハラの予防・解決のための取組を実施している企業への質問です。(回答2.394社)
「貴社では、パワーハラスメントの予防に向けてどのようなことを実施していますか。(複数回答可) 貴社で取り組んでいるパワーハラスメントの予防に向けた取組のうち、効果があると実感できたものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問についてです。
 実施についてです。「相談窓口を設置した」 82.9%、「管理職を対象にパワハラについての講演や研修会を実施した」 63.4%、「就業規則などの社内規定に盛り込んだ」 61.1%、「一般社員を対象にパワハラについての講演や研修を実施した」 41.2などです。
 効果を実感できた取組です。「管理職を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した」 74.2%、「一般社員等を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した」 69.6%、「相談窓口を設置した」 60.6%、「再発防止のための取り組みを行った (事案の分析、再発防止の検討など)」 59.8%、「アンケート等で、社内の実態調査を行った」 59.8%、「職場におけるコミュニケーション活性化等に関する研修・講習等を実施した」 56.8%等などです。
 「一般社員を対象にした講演や研修」 は実施率は半数ですが効果は高いです。「再発防止取り組み」 は実施率は19.1%ですが効果を実感できたは59.8%になっています。
「貴社では、パワーハラスメントに悩む従業員がいるかどうか、あるいはパワーハラスメントが疑われる事案が起こっているかどうかについて、どのような形で把握していますか。(複数回答可)」 の質問です。(回答4.587社)
「人事等の社内担当部署への相談や報告で」 64.7%、「社内または社外に設置した従業員向けの相談窓口で」 52.1%、「人事考課などの定期的な面談で」 29.9%、「労働組合への相談で」 17.4%の順です。
 従業員1.000人以上の企業では、「労働組合への相談で」 が39.2%になっています。

 窓口を設置している企業への 「貴社で設置している相談窓口において、制度上対象としている相談テーマをお教えください。(複数回答可) また、従業員からの相談内容のうち、多い内容の上位2つまでをお教えください。(2つまで)」 の質問です。(会社数3.365)

 相談テーマは、「セクシュアルハラスメント」 90.9%、「パワーハラスメント」 87.0%、「メンタルヘルス」 76.2%、「コンプライアンス」 66.3%、「賃金、労働条件等の勤労条件」 47.4%の順です。
 相談の多いテーマは、「パワーハラスメント」 32.4%、「メンタルヘルス」 28.1%、「賃金、労働条件等の勤労条件」 18.2%、「セクシュアルハラスメント」 14.5%の順です。「相談はなかった」 20.4%、「無回答」 10.4%です。
 「賃金、労働条件等の勤労条件」 がかなり多いです。実は 「パワハラ」 だったり、「メンタルヘルス」 に繋がっていきます。日本の労務政策の特徴です。

「個別のパワーハラスメント事案についての実態を把握する上で課題であると感じているのは、どのようなことでしょうか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。(会社数2288)
「被害者や加害者等の証言が一致しない」 37.1%、「加害者・ 被害者のプライバシーの確保」 34.7%、「被害者にヒアリングをするスキル、ノウハウのある人材の教育・育成」 31.8%、「被害者にヒアリングをするスキル、ノウハウのある人材の不足」 27.4%、「加害者・被害者の周囲の協力」 22.8%などです。
 「対応する人材の教育・育成」 は早急な課題になっています。そのためには他力本願ではなく、社内で経験を蓄積することが一番です。それは会社の財産です。


「パワーハラスメントに関する相談件数が増加した (または変わらなかった) 理由としてどのようなことが考えられますか。(複数回答可)」 の質問です。
 「パワーハラスメントに対する関心が高まった」 42.5%、「職務上のストレスが増加している」 41.1%、「パワーハラスメントについて相談しやすくなった」 40.9%、「就労意識の変化や価値観が多様化している」 32.5%、「職場のコミュニケーションが少ない/減っている」 32.5%の順です。
「パワーハラスメントに関する相談件数が減少した理由としてどのようなことが考えられますか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「管理職のパワーハラスメントに対する認識・理解が進んだ」 57.8%、「パワーハラスメントに対する関心が高まった」 44.3%、「職場のコミュニケーションが円滑化した」 33.6%、「経営層のパワ-ハラスメントに対する認識・理解が進んだ」 27.3%の順です。

「パワーハラスメントの予防・解決のための取組を進めた結果、パワーハラスメントの予防・解決以外の効果として、どのようなことがありましたか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。(会社数2394)
 「管理職の意識の変化によって職場環境が変わる」 43.1%、「職場のコミュニケーションが活性化する/風通しが良くなる」 35.6%、「管理職が適切なマネジメントができるようになる」 28.2%、「会社への信頼感が高まる」 27.5%、「従業員の仕事への意欲が高まる」 18.5%、「休職者・離職者の減少」 13.4%、「メンタルヘルス不調者の減少」 13.1%などです。
 取り組みはさまざまな面に効果が表れます。

「パワーハラスメントの予防・解決のための取組を進める上での課題、問題点としてどのようなことが考えられますか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。(会社数4587)
 「パワーハラスメントかどうかの判断が難しい」 70.9%、「発生状況を把握することが困難」 35.6%、「管理職の意識が低い/理解不足」 30.7%、「パワーハラスメントに対応する際のプライバシーの確保が難しい」 26.7%、「適正な処罰・対処の目安がわからない」 20.6%などです。
 「パワーハラスメントかどうかの判断が難しい」 はかなり高いです。労働相談のなかでも多いです。


 従業員調査です。
「あなたの勤務先はパワーハラスメントについて、従業員に説明したり、研修等を行うなど予防・解決のための取組をしていますか。(単数回答)」 の質問です。
 「積極的に取り組んでいる」 5.6%、「取り組んでいる」 20.5%、「ほとんど取り組んでいない」 21.5%、「全く取り組んでいない」 30.1%です。従業員規模別では、1.000人以上では 「積極的に取り組んでいる」 と 「取り組んでいる」 を合わせると51.6%、300人~999人では33.3%です。
 会社と従業員との認識にずれがあります。また取り組みの対象が限定されていたりします。

「(管理職のみ) パワーハラスメントに関連して、あなたご自身が普段から気をつけたり、気にしていることはありますか。(複数回答可)」 の質問です。(回答者は874人)
 「あなた自身がパワーハラスメントと言われるようなことをしないように注意している」 58.5%、「部下、同僚の気持ちを傷つけないように言い方や態度に注意している」 43.7%、「飲み会などへの参加を強要しないようにしている」 39.1%、「個人のプライバシーに関わることは聞かないようにしている」 34.1%、「あなたの部下がパワーハラスメントと言われるようなことをしないように注意している」 25.9%、「(まんべんなく) 周りの人と意識的に会話をするようにしている」 25.4%、「特になし」 33.0%などです。
「(管理職のみ) あなたがパワーハラスメントについて知りたいと感じるものはありますか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。(回答者901人)
 「パワーハラスメントにならない指導、部下等への接し方」 39.3%、「パワーハラスメントになる行為とならない行為の違い」 34.1%、「パワーハラスメントを受けたときの対応の仕方」 23.5%の順です。「特にない」 36.4%です。
 「男性正社員」 「女性正社員」 にも同じような傾向がみられます。管理職だけではなく日常的にかなりの気遣い、気配りをしています。「特になし」 は無関心の一方、取り組みが進んですでに日常的に信頼関係が形成されているも含まれます。

「労働組合があり、加入している」 と回答した者に対する 「あなたの勤務先の労働組合は、従業員の悩み、不満、苦情、トラブルなどについて相談にのってくれたり、解決に向けた支援をしてくれますか。(単数回答)」 の質問です。(回答者2.231人)
 「相談に乗ったり、解決に向けた支援をしてくれる」 48.3%、「相談にのったり、解決に向けた支援はしてくれない」 8.5%、「支援をしてくれるかどうかわからない」 43.2%です。前回の回答とほぼ同じです。

「あなたは過去3年間にパワーハラスメントを受けたり、見たり、逆にパワーハラスメントをしたり、していると指摘されたことはありますか。(各単数回答)」 の質問です。
 「パワラスを受けた経験」 は、「何度も繰り返し経験した」 7.8%、「時々経験した」 17.8%、「一度だけ経験した」 6.9%を合わせると32.5%です。「経験しなかった」 は67.5%です。前回 「受けたことがある」 は25.3%でした。

「(対象者:パワーハラスメントを受けた後、勤務先に相談したと回答した者) あなたの勤務先は、あなたがパワーハラスメントを受けている (または可能性がある)ことを知った後で、どのような対応をしましたか。(複数回答可)」 の質問です。(回答者328人)
 「あなたに事実確認のためのヒアリングを行った」 48.5%、「パワーハラスメントをした相手に事実確認を行った」 34.5%、「あなたの上司や同僚に事実確認を行った」 25.3%、「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」 25.3%、「特に何もしなかった」 18.3%です。

「(対象者:パワーハラスメントをしたと感じたり、パワーハラスメントをしたと指摘されたことがある者)あなたご自身や勤務先はあなたの行為をパワーハラスメントと考えていますか。(単数回答)」への質問です。(回答者1.173人)
 「自分ではパワーハラスメントをしたと感じておらず、勤務先はパワーハラスメントかどうかの判断をしなかった (勤務先がその行為を認識していない場合を含む)」 34.9%、「自分ではパワーハラスメントをしたと感じていないし、勤務先もパワーハラスメントと認めなかった」 13.0%、「自分ではパワーハラスメントをしたと感じていないが、勤務先はパワーハラスメントと認めた」 6.1%、「自分ではパワーハラスメントをしたと感じているものの、勤務先はパワーハラスメントかどうかの判断をしなかった (勤務先がその行為を認識していない場合を含む)」 20.5%、「自分ではパワーハラスメントをしたと感じているものの、勤務先はパワーハラスメントと認めなかった」 13.3%、「自分でもパワーハラスメントをしたと感じており、 勤務先もパワーハラスメントと認めた」 7.8%です。
 「自分ではパワーハラスメントをしたと感じていない」 が合わせて54%です。パワハラに関する認識に大きな違いがあります。またお互いの受け止め方は、職場の雰囲気・コミュニケーションによっても違いがあります

「・最近3年間にあなたの直属の上司があなたに対してしたことのあるもの
 ・最近3年間にあなたの直属の上司があなたと同じ職場の人に対してしたことのあるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「自分がされた」 は多い順に、「部下のミスについて 『何をやっている!』 と強い調子で叱責する」 14.8%、「業務の相談をしている時、パソコンに向かったままで視線を合わさない」 6.7%、「仕事を進める上で必要な情報を故意に与えない」 5.6%、「『そんな態度でよく仕事ができるな』 と嫌みを言う」 5.6%です。いずれも前回の調査からは減少しています。
 これらはパワハラというより精神的暴力・人権侵害です。

「パワーハラスメントを受けて、心身にどのような影響がありましたか。当てはまるものをすべてお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「怒りや不満、不安などを感じた」 75.6%、「仕事に対する意欲が減退した」 68.0%、「職場でのコミュニケーションが減った」 35.0%、「眠れなくなった」 23.3%などです。
 行為類型別に心身に与えた影響をみると、平均との差が高くて大きいのは、「人間関係からの切り離し」 において 「仕事に対する意欲が減退した」 77.1%、「職場でのコミュニケーションが減った」 57.0%、「眠れなくなった」 36.4%、「休むことが増えた」 18.0%、「通院したり服薬をした」 20.8%です。
 パワハラがおよぼす影響は決して小さくありません。

「パワーハラスメントを受けてどのような行動をしましたか。(複数回答可)」 の質問です。
 「何もしなかった」 40.9%、「家族や社外の友人に相談した」 20.3%、「社内の同僚に相談した」 16.0%、「会社を退職した」 12.9%、「社内の上司に相談した」 12.7%、「労働組合に相談した」 2.3%などです。
 「何もしなかった」 は前回より5.8%減っています。特徴的には年齢があがるほど高くなります。また 「管理職」 58.2%、「男子正社員」 48.4%です。「会社とは関係のないところに相談した」 は 「女性正社員」 35.7%、「女性正社員以外」 34.2%、「会社を休んだり退職した」 は 「女性正社員以外」 26.6%、「男性正社員以外」 23.7%と高くなっています。「社内の同僚に相談した」 は、女性が男性の2倍近くに、「家族や社外の友人に相談した」 は2倍以上になっています。女性は男性より積極的行動をとっています。「社外の者に相談した」 が 「社内の者に相談した」 よりも高くなっています。


 職場のパワハラ防止に取り組んでいる企業とそうでない企業には大きな 「格差」 が生まれています。取り組んだ効果も職場全体で共有されています。従業員調査においても同じです。
 その一方、企業と従業員の意識・認識には大きな違いがあります。
 「パワハラを受けた」 「パワハラではない」 と争うことがよくありますが、パワハラのとらえ方が違っています。
 トラブルは、初期に取り組むと解決も早くなります。パワハラをなくすことは難しいですが、会社全体での 「再発防止取り組み」 が予防・防止に繋がります。

  「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」 報告書
  「活動報告」 2012.12.21
  当センター「いじめメンタルヘルス労働者支援センター」ホームページ・ご相談はこちらから
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パワハラを受けて 「何もしなかった」 40.9%
2017/05/19(Fri)
 5月19日 (金)

 厚労省が発表した 「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」 の労働者についての調査結果です。
 対象者は10.000名で、就業構造基本調査を参考に、20歳から64歳労働者を対象に、性別、年代、正社員・正社員以外で割付を実施しました。正社員6.650人、正社員以外3.350人です。男女別は、正社員は男性4.650人、女性2.000人、正社員以外は男性950人、女性2.400人です。


 「あなたの勤務先はパワーハラスメントについて、従業員に説明したり、研修等を行うなど予防・解決のための取組をしていますか。(単数回答)」 の質問です。
 「積極的に取り組んでいる」 5.6%、「取り組んでいる」 20.5%、「ほとんど取り組んでいない」 21.5%、「全く取り組んでいない」 30.1%です。従業員規模別では、1.000人以上では 「積極的に取り組んでいる」 と 「取り組んでいる」 を合わせると51.6%、300人~999人では33.3%です。規模が小さくなるにしたがい減少しています。

 予防・解決のために 「積極的に取り組んでいる」 「取り組んでいる」 「ほとんど取り組んでいない」 と回答した者に対する質問です。(回答者4.708人)
 「あなたの勤務先では、具体的にどのような取組を行っていますか。実施しているものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「パワーハラスメントについて相談できる窓口を設置している」 45.5%、「就業規則などの社内規定に盛り込んでいる」 24.1%、「パワーハラスメントについて講演や研修会を行っている」 20.8%などです。

 勤務先でパワーハラスメントについての講演や研修会を行っていると回答した者に対する質問です。(回答者2.219人)
 「あなたは今の勤務先で以下の研修・講習等を受けたことがありますか。(単数回答)」 の質問です。
 「パワーハラスメントについての講演や研修会」 は 「受けた」 77.4%です。「上司の部下への接し方等の研修・講習等」 は52.1%、「職場におけるコミュニケーション活性化等に関する研修・講習等」 は74.6%です。


 「(対象者:管理職及び非管理職で指揮命令している人が1人以上いる者のみ) パワーハラスメントに関連して、あなたご自身が普段から気をつけたり、気にしていることはありますか。(複数回答可)」 の質問です。
 「管理職」 に対してです。(回答者は874人)
 「あなた自身がパワーハラスメントと言われるようなことをしないように注意している」 58.5%、「部下、同僚の気持ちを傷つけないように言い方や態度に注意している」 43.7%、「飲み会などへの参加を強要しないようにしている」 39.1%、「個人のプライバシーに関わることは聞かないようにしている」 34.1%、「あなたの部下がパワーハラスメントと言われるようなことをしないように注意している」 25.9%、「(まんべんなく) 周りの人と意識的に会話をするようにしている」 25.4%、「特になし」 33.0%などです。
 「非管理職で指揮命令している人が1名以上いる者」 に対してです。(対象者4369)
 「あなた自身がパワーハラスメントと言われるようなことをしないように注意している」 34.4%、「部下、同僚の気持ちを傷つけないように言い方や態度に注意している」 34.4%、「個人のプライバシーに関わることは聞かないようにしている」 26.1%、「飲み会などへの参加を強要しないようにしている」 20.6%、「(まんべんなく) 周りの人と意識的に会話をするようにしている」 20.5%、「特になし」 34.9%などです。
 「管理職」 「非管理職で指揮命令している 人が1人以上いる者」 についてみると、ほとんどの項目で管理職が高くなっています。
いずれの項目も研修受講者が、いずれの研修・講習も受講したことがない者に対して高くなっています。


 「あなたがパワーハラスメントについて知りたいと感じるものはありますか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「管理職」についてです。(回答者901人)
 「パワーハラスメントにならない指導、部下等への接し方」 39.3%、「パワーハラスメントになる行為とならない行為の違い」 34.1%、「パワーハラスメントを受けたときの対応の仕方」 23.5%の順です。「特にない」 36.4%です。
 「男性正社員」 です。(回答者3812人)
 「パワーハラスメントを受けたときの対応の仕方」 30.0%、「パワーハラスメントになる行為とならない行為の違い」 29.9%、「パワーハラスメントにならない指導、部下等への接し方」 27.9%の順です。「特にない」 43.0%です。
 「女性正社員」 です。(回答者1.937人)
 「パワーハラスメントを受けたときの対応の仕方」 39.0%、「パワーハラスメントになる行為とならない行為の違い」 37.7%、「パワーハラスメントを受けた際の相談先」 29.0%、「パワーハラスメントにならない指導、部下等への接し方」 23.7%の順です。「特にない」 34.1%です。
 「男性正社員以外」 です。(対象者950人)
 「パワーハラスメントを受けたときの対応の仕方」 29.1%、「パワーハラスメントになる行為とならない行為の違い」 27.9%、「パワーハラスメントを受けた際の相談先」 22.1%の順です。「特にない」 48.4%です。
 「女性正社員以外」です。(対象者2.400人)
 「パワーハラスメントを受けたときの対応の仕方」 36.3%、「パワーハラスメントになる行為とならない行為の違い」 32.0%、「パワーハラスメントを受けた際の相談先」 28.1%の順です。「特にない」 40.8%です。

 「あなたは、これまでにパワーハラスメントに関連して、資料や情報を収集した経験はありますか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「管理職」 については、「勤務先でパワーハラスメントに関連する研修を受講した」 34.5%が際立っています。「新聞やインターネットでパワーハラスメントに関するニュースを読んだ」 がそれぞれの階層で10%前半を占めています。それ以外では大きな違いはありません。「特に何もしていない」 が全体で69.4%になっています。

 「あなたの勤務先では、従業員の悩み、不満、苦情、トラブルなどを受け付ける相談窓口を設置していますか。(単数回答)」 の質問です。
 1.000人以上の会社では、「社内に相談窓口がある」 57.6%、「会社とは独立した外部に相談窓口がある」 4.9%、「社内と会社とは独立した外部の両方に相談窓口がある」 9.0%、「相談窓口はないが、社内の担当部署に相談することになっている」 5.6%、「設置していない」 9.0%です。
 99人以下の会社では、「社内に相談窓口がある」 6.6%、「会社とは独立した外部に相談窓口がある」 1.6%、「社内と会社とは独立した外部の両方に相談窓口がある」 0.8%、「相談窓口はないが、社内の担当部署に相談することになっている」 4.9%、「設置していない」 71.1%です。
 前回と比べると、すべての規模において 「設置していない」 の比率が低くなっています。

 「労働組合があり、加入している」 と回答した者に対する質問です。(回答者2.231人)
 「あなたの勤務先の労働組合は、従業員の悩み、不満、苦情、トラブルなどについて相談にのってくれたり、解決に向けた支援をしてくれますか。(単数回答)」 の質問です。
 「相談に乗ったり、解決に向けた支援をしてくれる」 48.3%、「相談にのったり、解決に向けた支援はしてくれない」 8.5%、「支援をしてくれるかどうかわからない」 43.2%です。これは前回の回答とほぼ同じです。

 「社内に相談窓口がある」、「会社とは独立した外部に相談窓口がある」、「社内と会社とは独立した外部の両方に相談窓口がある」、「社内か会社の外部かは分からないが相談窓口がある」 のいずれかを回答した者に対する質問です。(回答者3.741人)
 「あなたの勤務先が設置している相談窓口で、あなたご自身が実際に相談したことがあるものがあればお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「パワーハラスメントについて」 12.5%、「メンタルヘルス不調について」 11.0%、「セクシュアルハラスメントについて」 8.1%などです。「相談をしたことがない」 は79.0%です。


 「あなたは過去3年間にパワーハラスメントを受けたり、見たり、逆にパワーハラスメントをしたり、していると指摘されたことはありますか。(各単数回答)」 の質問です。
 「パワラスを受けた経験」 は、「何度も繰り返し経験した」 7.8%、「時々経験した」 17.8%、「一度だけ経験した」 6.9%を合わせると32.5%です。「経験しなかった」 は67.5%です。前回は 「受けたことがある」 の回答は25.3%でした。
 「パワーハラスメントを見たり、相談を受けたことがある」 は、「何度も繰り返し経験した」 6.2%、「時々経験した」 18.0%、「一度だけ経験した」 6.0%を合わせると30.1%です。「経験しなかった」 は69.9%です。前回は 「見たり、相談を受けたことがある」 の回答は28.2%でした。

 「(対象者:パワーハラスメントを受けた後、勤務先に相談したと回答した者) あなたの勤務先は、あなたがパワーハラスメントを受けている (または可能性がある) ことを知った後で、どのような対応をしましたか。(複数回答可)」 の質問です。(回答者328人)
 「あなたに事実確認のためのヒアリングを行った」 48.5%、「パワーハラスメントをした相手に事実確認を行った」 34.5%、「あなたの上司や同僚に事実確認を行った」 25.3%、「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」 25.3%、「特に何もしなかった」 18.3%です。
 「労働組合に相談した」 で 「特に何もしなかった」 が10.7%ありました。(回答者75人)

 「(対象者:パワーハラスメントを受けている (または可能性がある) ことを勤務先が認識していると回答した者) あなたの勤務先は、あなたが受けた行為をパワーハラスメントだと認めましたか。(単数回答)」 の質問です。(回答者2.116人)
 「認めた」 10.4%、「認めなかった」 16.7%、「判断せず、あいまいなままだった」 65.3%です。

 「(対象者:パワーハラスメントを受けたと勤務先に認められた者) あなたの勤務先は、あなたが受けた行為について、あなたがパワーハラスメントを受けていると認めた後、どのような対応をしま したか。(複数回答可)」 の質問です。(回答者221人)
 「あなたを配置転換した」 19.9%、「パワーハラスメントを行った人に謝罪させた」 19.0%、「パワーハラスメントを行った人を配置転換した」 16.3%、「パワーハラスメントを行った人を処分した」 15.8%、「会社として謝罪をした」 11.3%、「会社が調査した結果について説明した」 7.7%、「あなた自身の問題点を指摘し、改善するよう指導した」 5.4%です。

 「(対象者:パワーハラスメントを受けたと勤務先に認められた者) 勤務先の対応について、あなたはどの程度納得しましたか。(単数回答)」 の質問です。(回答者221人)
 「非常に納得できた」 10.4%、「まあ納得できた」 30.0%、「どちらともいえない」 28.5%、「あまり納得できなかった」 12.2%、「全く納得できなかった」 10.9%です。
 男女別です。男性は 「非常に納得できた」 と 「まあ納得できた」 を合わせて50.8%、「あまり納得できなかった」 と 「全く納得できなかった」 を合わせて19.8%です。女性は、「非常に納得できた」 と「まあ納得できた」 を合わせて45.0%、「あまり納得できなかった」 と 「全く納得できなかった」 を合わせて28.1%です。
 年齢別です。20歳代は「非常に納得できた」と「まあ納得できた」を合わせて44.5%、「あまり納得できなかった」と「全く納得できなかった」を合わせて29.7%です。23歳代は 「非常に納得できた」 と 「まあ納得できた」 を合わせて54.0%、「あまり納得できなかった」 と 「全く納得できなかった」 を合わせて20.7%です。大きな差があります。
 職掌別です。男性正社員は 「非常に納得できた」 と 「まあ納得できた」 を合わせて53.9%、女性正社員は37.5%です。逆に男性正社員は 「あまり納得できなかった」 と 「全く納得できなかった」 を合わせて19.1%、女性正社員は27.5%です。
 女性正社員以外は 「あまり納得できなかった」 と 「全く納得できなかった」 を合わせて28.0%です。


 「(対象者:パワーハラスメントをしたと感じたり、パワーハラスメントをしたと指摘されたことがある者) あなたご自身や勤務先はあなたの行為をパワーハラスメントと考えていますか。(単数回答)」 への質問です。(回答者1.173人)
 「自分ではパワーハラスメントをしたと感じておらず、勤務先はパワーハラスメントかどうかの判断をしなかった (勤務先がその行為を認識していない場合を含む)」 34.9%、「自分ではパワーハラスメントをしたと感じていないし、勤務先もパワーハラスメントと認めなかった」 13.0%、「自分ではパワーハラスメントをしたと感じていないが、勤務先はパワーハラスメントと認めた」 6.1%、「自分ではパワーハラスメントをしたと感じているものの、勤務先はパワーハラスメントかどうかの判断をしなかった (勤務先がその行為を認識していない場合を含む)」 20.5%、「自分ではパワーハラスメントをしたと感じているものの、勤務先はパワーハラスメントと認めな かった」 13.3%、「自分でもパワーハラスメントをしたと感じており、 勤務先もパワーハラスメントと認めた」 7.8%です。「自分ではパワーハラスメントをしたと感じていない」 が54%です。

 「(対象者:パワーハラスメントをしたと勤務先が認めた者) あなたの行為に対して、あなたの勤務先はどのような対応をしましたか。(複数回答可)」 の質問です。(回答者162人)
 「何もしなかった」 40.1%、「あなたにパワーハラスメントを受けた人へ謝罪させた」 21.0%、「あなたを配置転換した」 14.2%、「パワーハラスメントを 受けた人を配置転換した」 11.7%などです。

 「(対象者:パワーハラスメントをしたと勤務先が認めた者) 勤務先の対応について、あなたはどの程度納得しましたか。(単数回答)」 の質問です。
 「自分ではパワーハラスメントをしたと感じていないが、勤務先はパワーハラスメントと認めた」 者 (回答者91人) においては、「非常に納得できた」 8.8%、「まあ納得できた」 40.7%、「どちらともいえない」 33.0%です。
 「自分ではパワーハラスメントをしたと感じていないが、勤務先はパ ワーハラスメントと認めた」 者 (回答者71人) においては、「非常に納得できた」 1.4%、「まあ納得できた」 11.3%、「どちらともいえない」 46.5%、「全く納得できていなかった」 25.4%です。


 「以下の項目の中で、
 ・(対象者:管理職のみ) 最近3年間を振り返ったときにあなたがしたことがあるもの
 ・最近3年間にあなたの直属の上司があなたに対してしたことのあるもの
 ・最近3年間にあなたの直属の上司があなたと同じ職場の人に対してしたことのあるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。(管理職は回答者864人、他は回答者1.000人)
 管理職が 「したことがある」 は、多い順に 「部下のミスについて『何をやっている!』 と強い調子で叱責する」 12.1%、「業務の相談をしている時、パソコンに向かったままで視線を合わさない」 4.7%、「職場の従業員がいる前で机を叩き、声を荒げて指導する」 3.4%、「何度も遅刻を繰り返す部下に対し、同僚の前で叱責する」 3.3%です。いずれも前回の調査からは減少しています。
 「自分がされた」 は多い順に、「部下のミスについて 『何をやっている!』 と強い調子で叱責する」 14.8%、「業務の相談をしている時、パソコンに向かったままで視線を合わさない」 6.7%、「仕事を進める上で必要な情報を故意に与えない」 5.6%、「『そんな態度でよく仕事ができるな』 と嫌みを言う」 5.6%です。いずれも前回の調査からは減少しています。
 「自分と同じ職場の人がされた」 は多い順に、「部下のミスについて 『何をやっている!』 と強い調子で叱責する」 18.0%、「『そんな態度でよく仕事ができるな』 と嫌みを言う」 6.9%、「職場の従業員がいる前で机を叩き、声を荒げて指導する」 6.8%、「業務の相談をしている時、パソコンに向かったままで視線を合わさない」 5.9%、です。いずれも前回の調査からは減少しています。

 3年間のパワーハラスメントを受けた経験について、「何度も繰り返し経験した」、「時々経験した」、「一度だけ経験した」 と回答した者に対する質問です。(回答者3.250人)
 「あなたが受けたパワーハラスメントは以下の6つのどれに当てはまるかお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「精神的な攻撃」 54.9%、「過大な要求」 29.9%、「人間関係からの切り離し」 24.8%、「個の侵害」 22.3%、「過小な要求」 19.8%、「身体的な攻撃」 6.1%です。
 いずれも前回の調査とほぼ同じです。
 男女別にみると、「過大な要求」 男性29.9%、女性26.7%、「人間関係からの切り離し」 男性20.7%、女性30.6%、「個の侵害」 男性18.7%、女性27.5%、18.7%、「過大な要求」 男性22.1%、女性16.4%です。

 「パワーハラスメント行為をした人とあなたとの関係として当てはまるものをお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「上司から部下へ」 76.9%、「先輩から後輩へ」 15.5%、「正社員から正社員以外へ」 12.7%、「正社員同士」 5.6%です。

 「パワーハラスメントを受けて、心身にどのような影響がありましたか。当てはまるものをすべてお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「怒りや不満、不安などを感じた」 75.6%、「仕事に対する意欲が減退した」 68.0%、「職場でのコミュニケーションが減った」 35.0%、「眠れなくなった」 23.3%などです。

 行為類型別に心身に与えた影響をみると、平均との差が高くて大きいのは、「人間関係からの切り離し」 において 「仕事に対する意欲が減退した」 77.1%、「職場でのコミュニケーションが減った」 57.0%、「眠れなくなった」 36.4%、「休むことが増えた」 18.0%、「通院したり服薬をした」 20.8%です。

 「パワーハラスメントを受けてどのような行動をしましたか。(複数回答可)」 の質問です。
 「何もしなかった」 40.9%、「家族や社外の友人に相談した」 20.3%、「社内の同僚に相談した」 16.0%、「会社を退職した」 12.9%、「社内の上司に相談した」 12.7%、「労働組合に相談した」 2.3%などです。
 「何もしなかった」 は前回より5.8%減っています。
 その後の行動をみると、特徴的なのは 「何もしなかった」 は 「管理職」 58.2%、「男子正社員」 48.4%、「会社とは関係のないところに相談した」 は 「女性正社員」 35.7%、「女性正社員以外」 34.2%、「会社を休んだり退職した」 は 「女性正社員以外」 26.6%、「男性正社員以外」 23.7%です。
 「何もしなかった」 は年齢があがるほど高くなります。「社内の同僚に相談した」 は、女性が男性の2倍近くになっています。「家族や社外の友人に相談した」 は、女性が男性の2倍以上になっています。

 「パワーハラスメントを受けて、あなたが何もしなかった理由として、当てはまるものをすべてお教えください。(複数回答可)」 の質問です。(回答者1.328人)
 「何をしても解決にならないと思ったから」 68.5%、「職務上不利益が生じると思ったから」 24.9%、「何らかの行動をするほどのことではなかったから」 13.6%、「職場の上司や同僚との人間関係が悪くなることが懸念されたから」 13.4%、「パワーハラスメント行為がさらにエスカレートすると思ったから」 12.9%です。男女では 「職務上不利益が生じると思ったから」 は男性27.4%、女性18.9%です。


 「過去3年間にあなたが見たり、相談を受けたパワーハラスメントは以下の6つのどれに当てはまるかお教えください。(複数回答可)」 の質問です。(回答者3.014人)
 「精神的な攻撃」 56.6%、「過大な要求」 24.8%、「人間関係からの切り離し」 24.4%、「個の侵害」 18.2%、「過小な要求」 17.9%、「身体的な攻撃」 7.4%です。
 「過小な要求」 は11.7%高くなり、「身体的な攻撃」 は8.2%減少しています。
 関係性についてです。「上司から部下へ」 73.5%、「先輩から後輩へ」 17.1%、「正社員から正社員以外へ」 12.4%、「正社員の同僚同士」 6.6%、などです。

 「パワーハラスメントを見たり、相談を受けたりした後、あなたはどのような行動をしましたか。(複数回答可)」 の質問です。
 「被害者の話を聞いた」 45.5%、「何もしなかった」 39.7%、「被害者にアドバイスをした」 25.5%です。


 「あなたの職場の特徴として当てはまるものをお教えください。(複数回答可)
 パワーハラスメントを受けた当時の職場の特徴として当てはまるものをお教えください。(複数回 答可)
 パワーハラスメントを見たり、相談を受けた当時の職場の特徴として当てはまるものをお教えください。(複数回答可)」 の質問です。(回答者10.000人)
 「正社員や正社員以外 (パート、派遣社員など) など様々な立場の従業員が一緒に働いている」 39.1%、「様々な年代の従業員がいる」 30.9%、「従業員数が少ない」 28.1%、「残業が多い/休みが取り難い」 25.3%、「上司と部下のコミュニケーションが少ない」 22.2%、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」 13.7%などです。
 これらを 「現職場でのパワーハラスメント経験者」 と 「現職場でのパワーハラスメント未経験者」 とで比較すると差が大きいのは、「残業が多い/休みが取り難い」 は38.8%と20.6%、「上司と部下のコミュニケーショ ンが少ない」 は35.9%と17.4%、「従業員の年代に偏りがある」 28.1%と18.9%、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」 25.8%と9.5%です。


 「以下の項目は、あなたの職場にどの程度当てはまりますか。(単数回答)
 『悩み、不満、問題と感じたことを会社に伝えやすい』 『悩み、不満、問題と感じたことを上司に伝えやすい』」 の質問です。
 「悩み、不満、問題と感じたことを会社に伝えやすい」 についてです。「非常に当てはまる」 3.0%、「まあ当てはまる」 22.9%、「どちらともいえない」 32.9%、「あまり当てはまらない」 24.8%、「全く当てはまらない」 16.5%です。
 これらを 「現職場でのパワーハラスメント経験者」 と 「現職場でのパワーハラスメント未経験者」 とで比較すると大きい差があります。
 「悩み、不満、問題と感じたことを上司に伝えやすい」 についてです。「非常に当てはまる」 3.9%、「まあ当てはまる」 28.3%、「どちらともいえない」 30.1%、「あまり当てはまらない」 22.2%、「全く当てはまらない」 15.5%です。
 これらを 「現職場でのパワーハラスメント経験者」 と 「現職場でのパワーハラスメント未経験者」 とで比較すると大きい差があります。


 「以下の項目は、あなたの職場にどの程度当てはまりますか。(単数回答)
 『同僚同士のコミュニケーションが円滑である』 『仕事以外のことを相談できる同僚がいる』」 の質問です。
 「同僚同士のコミュニケーションが円滑である」 についてです。「非常に当てはまる」 7.5%、「まあ当てはまる」 35.7%、「どちらともいえない」 33.5%、「あまり当てはまらない」 14.9%、「全く当てはまらない」 8.5%です。
 これらを 「現職場でのパワーハラスメント経験者」 と 「現職場でのパワーハラスメント未経験者」 とで比較すると 「まあ当てはまる」 には8.5%の差があります。
 「仕事以外のことを相談できる同僚がいる」 についてです。「非常に当てはまる」 7.3%、「まあ当てはまる」 29.2%、「どちらともいえない」 29.8%、「あまり当てはまらない」 1829%、「全く当てはまらない」 15.5%です。
 これらを 「現職場でのパワーハラスメント経験者」 と 「現職場でのパワーハラスメント未経験者」 とで比較すると 「どちらともいえない」 には9.5%の差があります。


 「あなたの勤務先がパワーハラスメントの予防・解決のための取組を行うことで、職場の雰囲気や働きやすさなどに変化が出ていますか。(単数回答)」 の質問です。
 職場の変化です。
 勤務先が 「トップの宣言のみ実施」 の者についてです。(回答者208人) 「改善された」8.2%、「変わらない」 75.0%です。
 勤務先が 「各種研修のみ実施」 の者についてです。(回答者747人) 「改善された」 8.3%、「変わらない」 75.5%です。
 勤務先が 「周知活動のみ実施」 の者についてです。(回答者376人) 「改善された」 8.2%、「変わらない」 73.1%です。
 勤務先が 「トップの宣言・各種 研修・周知活動全て実施」 の者についてです。(回答者273人) 「改善された」 22.3%、「変わらない」 67.4%です。
 「あなた自身の働きやすさ」 の変化です。
 勤務先が 「トップの宣言のみ実施」 の者についてです。(回答者208人) 「改善された」 9.6%、「変わらない」 74.2%です。
 勤務先が 「各種研修のみ実施」 の者についてです。(回答者747人) 「改善された」 13.5%、「変わらない」 75.5%です。
 勤務先が 「周知活動のみ実施」 の者についてです。(回答者376人) 「改善された」 11.4%、「変わらない」 73.9%です。
 勤務先が 「トップの宣言・各種 研修・周知活動全て実施」 の者についてです。(回答者273人) 「改善された」 24.5%、「変わらない」 65.2%です。


 「あなたは、勤務先がどの程度積極的にパワーハラスメントの予防・解決に向けた取組をすべきだと思われますか。(単数回答)」 の質問です。
 「積極的に取り組むべき」 28.6%、「取組は必要だが慎重に進めるべき」 42.3%、「取り組む必要はない」 10.6%です。従業員の規模が大きくなるほど 「積極的に取り組むべき」 が高くなります。


 「あなたの勤務先がパワーハラスメントの予防・解決のための取組を行うための支援として、どのようなことがあると良いと思われますか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「従業員アンケートなどによる自社の実態把握の支援」 35.8%、「パワーハラスメントについての相談や解決の支援」 31.8%、「管理職向けの研修の実施の支援」 28.7%、「就業規則などのルール策定の支援」 28.6%、「自社内のパワーハラスメントに関する方針の周知・啓発の支援」 21.3%、「企業として取り組むべき内容の明確化」 20.8%、「経営層からのパワーハラスメントに関するメッセージ発信の支援」 20.7%、「一般社員等向けの研修の実施の支援」 20.1%などです。
 従業員の規模が大きくなるほど要望が高くなっています。

  「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」 報告書
  当センター「いじめメンタルヘルス労働者支援センター」ホームページ・ご相談はこちらから
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企業のパワハラへの取り組みは効果が出ている
2017/05/16(Tue)
 5月16日 (火)

 4月28日、厚労省は 「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」 を発表しました。調査は12年に続いて2回目です。報告書を紹介します。

 調査は、企業調査と従業員調査に分かれます。
 企業調査は、全国の従業員数300人以上の法人20.000社に調査票を送付しました。300人以上8.947社と300人以下11.053社です。調査事項は、パワハラの予防・解決のための取り組みの実施状況と効果、発生状況、予防・解決のための取り組みを進める上での課題などです。回収数は4.587社(22.9%)です。
 従業員調査は、全国の20~64歳の従業員 (公務員は除く) を対象にインターネット調査です。就業構造基本調査をもとに性別、年代及び正社員か正社員以外で割付を行いました。管理職のサンプルも一定数以上確保するようにしました。調査事項は、勤務先のパワハラ予防・解決のための取り組み状況、パワハラを受けた (行なった) 経験の有無・内容、パワハラについて知りたいことなどです。


 企業についての調査結果です。
 「貴社では、パワーハラスメントの予防・解決のための取組を行っていますか。」 の質問です。
 「実施している」 52.2%、「現在実施していないが、取り組みを検討中」 22.1%、「特に取組を考えていない」 25.3%です。
 従業員規模別にみると、1.000人以上の企業では 「実施している」 88.4% (前回76.3%) で、規模が小さくなるほど 「実施している」 の比率が低くなり、99人以下では26.0% (18.2%) です。前回の調査と比較すると、どの従業員規模でも 「実施している」 の比率が高くなっています。

 「貴社では、パワーハラスメントの予防・解決のための取組は経営上の課題として重要であるとお考えですか。」 の質問です。
 「非常に重要である」 30.5%、「重要である」 51.5%、「どちらともいえない」 14.3%です。従業員規模別にみると、1.000人以上では 「非常に重要である」 と 「重要である」 を合わせた比率が95.8% (91.7%) に対し、99人以下では70.1% (68.5%) です。

 「パワーハラスメントが職場や企業に与える影響として当てはまるとお考えのものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問についてです。
 「職場の雰囲気が悪くなる」 93.5%、「従業員の心の健康を害する」 91.5%、「従業員が十分に能力を発揮できなくなる」 81.0%、「人材が流出してしまう」 78.9%、「職場の生産性が低下する」 67.8%などです。
 これらを、パワーハラスメントの予防・解決のための取組が 「非常に重要である・重要である」 と回答した企業と、「どちらともいえない・あまり重要ではない・全く重要ではない」 と回答した企業を比較すると、どちらともいえない等の回答企業の方が、パワハラが職場や企業に 与える影響の各項目について当てはまると考える比率が低くなっています。


 パワハラの予防・解決のための取組を実施している企業への質問です。
 「貴社では、パワーハラスメントの予防に向けてどのようなことを実施していますか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可) 貴社で取り組んでいるパワーハラスメントの予防に向けた取組のうち、効果があると実感できた ものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問についてです。
 実施している取組としては、「相談窓口を設置した」 82.9%、「管理職を対象にパワハラスについての講演や研修会を実施した」 63.4%、「就業規則などの社内規定に盛り込んだ」 61.1%、「一般社員を対象にパワハラについての講演や研修を実施した」 41.2などとなっています。
 実施した取り組みのなかで効果を実感できた取組についてです。「管理職を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した」 74.2%、「一般社員等を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した」 69.6%、「相談窓口を設置した」 60.6%、「再発防止のための取り組みを行った (事案の分析、再発防止の検討など)」 59.8%、「アンケート等で、社内の実態調査を行った」 59.8%、「職場におけるコミュニケーション活性化等に関する研修・講習等を実施した」 56.8%等などです。
 「一般社員等を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した」 や 「アンケート等で、社内の実態調査を行った」、「職場におけるコミュニケーション活性化等に関する研修・講習等を実施した」 は実施している取り組みの割合が低いですが効果は大きいようです。特に 「再発防止のための取り組みを行った (事案の分析、再発防止の検討など)」 は実施している割合は19.1%ですが効果を実感できたは59.8%になっています。

 「取組を始めてからの期間をお教えください。(単数回答)」 の質問です。
 「1年未満」 6.0%、「10年以上」 14.3%、「5~10年未満」 27.2%です。従業員規模が大きくなるほど長くなっています。

 「貴社が、取組を実施したきっかけはどのようなことでしたか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「パワーハラスメントが社会的な問題となってきたから」 64.2%、「コンプライアンス、CSRなどの対応を進めていくうちに取組が広がった」 37.8%、「セクシュアルハラスメントへの対応を進めていくうちに取組が広がった」 27.1%、「経営層からの働きかけがあったから」 18.9%、「従業員や労働組合からの要望があったから」 7.4%などです。

 「パワーハラスメントの予防・解決のために参考にしたものはありますか。また、今後参考にしたいものはありますか。それぞれ当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「パワーハラスメントに関する判例」 は参考にした33.7%、今後参考にしたい22.3%、「厚生労働省の 『パワーハラスメント対策導入マニュアル』 やハンドブック」 27.3%と29.3%、「社会保険労務士」 22.8%と8.1%、「弁護士」 21.9%と7.1%、「厚生労働省の 『あかるい職場応援団』 のホームページ」 16.4%と21.5%、「厚生労働省または労働局が実施する企業向けセミナー」 13.7%と24.2%などです。
 「予防・解決のために参考にしたもの」 について従業員規模別にみると、99人以下の企業では 「社会保険労務士」 23.3%、「パワーハラスメントに関する判例」 17.7%の順です。
 1000人以上の企業では 「パワーハラスメントに関する判例」 が59.5%で最も高く、「厚生労働省の 『パワーハラスメント対策導入マニュアル』 やハンドブック」 47.7%の順です。


 「貴社では、パワーハラスメントに悩む従業員がいるかどうか、あるいはパワーハラスメントが疑われる事案が起こっているかどうかについて、どのような形で把握していますか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「人事等の社内担当部署への相談や報告で」 64.7%、「社内または社外に設置した従業員向けの相談窓口で」 52.1%、「人事考課などの定期的な面談で」 29.9%、「労働組合への相談で」 17.4%の順です。
 従業員1000人以上の企業では、「社内または社外に設置した従業員向けの相談窓口で」 91.9%、「人事等の社内担当部署への相談や報告で」 76.6%、「労働組合への相談で」 39.2%の順です。
 一方、従業員99人以下の企業では、「人事等 の社内担当部署への相談や報告」 53.1%、「人事考課などの定期的な面談で」 29.7%、「社内または社外に設置した従業員向けの相談窓口で」 24.3%の順です。


 「貴社ではパワーハラスメントに限らず、従業員の悩み、不満、苦情、トラブルなどを受け付ける ための相談窓口を設置していますか。(単数回答)」 の質問です。
 「社内に設置している」 47.4%であり、「会社とは独立した外部の組織に委託」 2.4%、「社内と社外の両方に設置している」 23.5%、「設置していない」 25.2%です。
 従業員規模別にみると、1.000人以上の企業は 「社内と社外の両方に設置している」 56.9%、「社内に設置している」 39.6%、「会社とは独立した外部の組織に委託」 1.4%と合わせて97.9%におよびます。一方、99人以下の企業では、「社内に設置」 34.7%で、「会社とは独立した外部の組織に委託」 と 「社内と社外の両方に設置」 を合わせても44.0%です。前回の調査と比較すると、どの規模でも 「設置していない」 の比率が低くなっています。


 窓口を設置している企業への質問です。(会社数3.365)
 「貴社で設置している相談窓口において、制度上対象としている相談テーマをお教えください。(複数回答可) また、従業員からの相談内容のうち、多い内容の上位2つまでをお教えください。(2つまで)」 の質問です。
 相談テーマは、「セクシュアルハラスメント」 90.9%、「パワーハラスメント」 87.0%、「メンタルヘルス」 76.2%、「コンプライアンス」 66.3%、「賃金、労働条件等の勤労条件」 47.4%の順です。
 従業員から相談の多いテーマは、「パワーハラスメント」 32.4%、「メンタルヘルス」 28.1%、「賃金、労働条件等の勤労条件」 18.2%、「セクシュアルハラスメント」 14.5%の順です。「相談はなかった」 20.4%、「無回答」 10.4%です。
 相談が多い2テーマに、パワーハラスメントが含まれている企業について従業員規模別にみると、従業員数1000人以上の企業で55.8%と半数を超えています。


 過去3年間にパワーハラスメントに関する相談が1件以上の企業に対しての質問です。(2288社)
 「パワーハラスメントに関する相談があった場合、どのような人が実態の把握や解決に向けた対応をしていますか。(複数回答可)」 の質問です。
 「総務・人事部門」 89.5%、「社外弁護士・社労士」 20.2%、「CSR・コンプライアンス部門」 20.1%、「労働組合」 12.5%の順です。

 「パワーハラスメントに関する相談があった場合、事実関係を確認するために、ヒアリングをどのような立場の人が行っていますか。(複数回答可)」 の質問です。(会社数2288)
 「人事労務等の担当部署」 84.2%、「被害者の上長」 31.4、「加害者の上長」 30.0%、「当該部署と関係のない職場の管理職」 10.1%、「労働組合」 8.9%です。

 「個別のパワーハラスメント事案についての実態を把握する上で課題であると感じているのは、どのようなことでしょうか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「被害者や加害者等の証言が一致しない」 37.1%、「加害者・ 被害者のプライバシーの確保」 34.7%、「被害者にヒアリングをするスキル、ノウハウのある人材の教育・育成」 31.8%、「被害者にヒアリングをするスキル、ノウハウのある人材の不足」 27.4%、「専任担当者がいない」 23.0%、「加害者・被害者の周囲の協力」 22.8%などです。


 「貴社におけるパワーハラスメントに関する相談として取り扱った件数の推移についてお教えください。」 の質問です。(会社数4587社)
 「パワーハラスメントに関する相談があり、以前 (3年前) と比べて増加している」 11.3%、「変わらない」 17.5%、「減少している」 17.3%、「過去にはパワーハラスメントに関する相談はあったが、この3年間はない」 11.2%、「現在も過去もパワーハラスメントに関する相談はない/把握していない」 29.3%、「パワーハラスメントに関する相談を受け付けていない」 12.1%です。
 従業員規模別にみると、規模が小さくなるに従い、「現在も過去もパワーハラスメントに関する相談はない/把握していない」 と「パワーハラスメントに関する相談を受け付けていない」 が高くなっています。
 パワーハラスメントの予防・解決のための取組の実施状況別にみると、取組を 「実施している」 方が、「現在実施していないが取組を検討中」、「特に取組を考えていない」 よりも、「パワーハラスメントに関する相談があり、以前 (3年前) と比べて増加している (または変わらない)」 や「パワーハラスメントに関する相談はあるが、以前 (3年前) と比べて減少している」 の回答が高くなっています。

 「パワーハラスメントに関する相談があり、以前 (3年前) と比べて増加している」 または 「パワーハラスメントに関する相談があり、以前 (3年前) と変わらない」 と回答した企業に対する質問です。(会社数1322)
 「パワーハラスメントに関する相談件数が増加した (または変わらなかった) 理由としてどのよう なことが考えられますか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「パ ワーハラスメントに対する関心が高まった」 42.5%、「職務上のストレスが増加している」 41.1%、「パワーハラスメントについて相談しやすくなった」 40.9%、「就労意識の変化や価値観が多様化している」 32.5%、「職場のコミュニケーションが少ない/減っている」 32.5%の順です。
 パワハラの取組を始めてからの期間別にみると、10年以上の企業で 「就労意 識の変化や価値観が多様化している」 50.0%と、他の期間に比べて高くなっています。取組を始めてからの期間が1年未満の企業でも、「パワーハラスメントについて相談しやすくなった」 と 「パワーハラスメントに対する関心が高まった」 が他の期間と同様に高くなっています。


 「パワーハラスメントに関する相談があるが、以前 (3年前) と比べて減少している」または 「過去にはパワーハラスメントに関する相談はあったが、この3年間はない」 と回答した企業に対する質問です。
 「パワーハラスメントに関する相談件数が減少した理由としてどのようなことが考えられますか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「管理職のパワーハラスメントに対する認識・理解が進んだ」 57.8%、「パワーハラスメントに対する関心が高まった」 44.3%、「職場のコミュニケーションが円滑化した」 33.6%、「経営層のパワ-ハラスメントに対する認識・理解が進んだ」 27.3%の順です。

 「過去3年間にパワーハラスメントに関する相談はあったが、件数はわからない」 と回答した企業を含む、過去3年間のパワーハラスメント に関する相談が1件以上あった企業に対する質問です。(会社数2288)
 「パワーハラスメントに関する相談があった職場に当てはまる特徴として、該当するものがあれば全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」 45.8%、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い職場」 22.0%、「残業が多い/休みが取り難い職場」 21.0%、「正社員や正社員以外 (パート、派遣社員等) など様々な立場の従業員が一緒に働いている職場」 19.5%が高くなっています。

 「過去3年間に受けたパワーハラスメントに関する相談のうち、パワーハラスメントに該当すると判断した事例の件数の傾向についてお教えください。(単数回答)」 の質問です。
 「以前 (3年前) と比べて増加している」 14.2%、「以前 (3年前) と変わらない」 28.5%、「以前 (3年前) と比べて減少している」 32.7%、「該当すると判断した事例はない」 22.5%です。

 「過去3年間にどのようなパワーハラスメントに関する相談がありましたか。具体的な内容及び加害者と被害者の関係として当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可) そのうちパワーハラスメントに該当すると判断した事案について、具体的な内容及び加害者と被害者の関係として当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 具体的相談内容は、「精神的な攻撃」 73.5%、「人間関係からの切り離し」 26.5%、「過大な要求」 21.2%、「個の侵害」 17.5%、「身体的な攻撃」 14.6%です。
 そのうちパワハラに該当すると判断した事案は、「精神的な攻撃」 49.1%、「身体的な攻撃」 11.9%、「人間関係からの切り離し」 11.6%、「過大な要求」 10.1%です。
 相談の加害者と被害者の関係では、「上司から部下へ」 77.3%、「先輩から後輩へ」 30.0%、「正社員から正社員以外へ」 19.1%、「正社員の同僚同士」 15.5%です。
 そのうちパワハラに該当すると判断した関係は、「上司から部下へ」 47.9%、「先輩から後輩へ」 17.2%、「正社員から正社員以外へ」 10.4%、「正社員の同僚同士」 6.9%です。

 パワーハラスメントに該当すると判断した事例が1件以上の企業に対する質問です。(会社数1726)
 「パワーハラスメントに該当すると判断した事例について、加害者に対してどのような対応をとりましたか。過去3年間に行った加害者への対応の内容として当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「口頭指導」 72.8%、「配置転換」 44.8%、「書面による指導」 25.6%、「減給など、解雇以外の懲戒処分」 22.2%、「被害者への謝罪」 20.7%です。
 「その他」 としては、始末書の提出、出勤停止、指導方法改善の要請、監視、被害者との業務上の関わり方のルールの策定などがおこなわれました。

 「過去3年間のパワーハラスメントに該当すると判断した事案のうち、指導、懲戒など加害者に対して社内規則に則って処分を行った件数をお教えください。(単数回答)」 の質問です。
 「0件」 43.1%、「1~2件」 37.9%です。


 パワーハラスメントの予防・解決のための取組を実施している企業に対する質問です。(会社数2394)
 「パワーハラスメントの予防・解決のための取組を進めた結果、パワーハラスメントの予防・解決以外の効果として、どのようなことがありましたか。当てはまるものを全てお教えください。(複 数回答可)」 の質問です。
 「管理職の意識の変化によって職場環境が変わる」 43.1%、「職場のコミュ ニケーションが活性化する/風通しが良くなる」 35.6%、「管理職が適切なマネジメントができるようになる」 28.2%、「会社への信頼感が高まる」 27.5%、「従業員の仕事への意欲が高まる」 18.5%、「休職者・離職者の減少」 13.4%、「メンタルヘルス不調者の減少」 13.1%などです。


 「パワーハラスメントの予防・解決のための取組を進める上での課題、問題点としてどのようなことが考えられますか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「パワーハラス メントかどうかの判断が難しい」 70.9%、「発生状況を把握することが困難」 35.6%、「管理職の意識が低い/理解不足」 30.7%、「パワーハラスメントに対応する際のプライバシーの確保が難しい」 26.7%、「適正な処罰・対処の目安がわからない」 20.6%などです。


 「職場でパワーハラスメントの予防・解決のための取組を進めることで起こる問題として、懸念されるものがあれば全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 「権利ばかり主張する者が増える」 56.9%、と最も多く、「パワーハラスメントに該当すると思えないような訴え・相談が増える」 48.9%、「管理職が弱腰になる」 43.6%、「上司と部下との深いコミュニケーションがとれなくなる」 29.6%などです。


 「パワーハラスメントの予防・解決のための取組を行うための支援として、どのようなことがあると良いと思われますか。当てはまるものを全てお教えください。(複数回答可)」 の質問です。
 現在取組を実施していないが取組の実施を検討中の企業が、パワーハラスメントの予防・解 決のための取組を行うための支援として、あるとよいと思うものです。「管理職向け研修の実施の支援」 59.5%、「パワーハラスメントについての相談があった時の解決の支援」 44.3%、「経営層からのパワーハラスメントに関するメッセージ発信の支援」 33.7%、「一般社 向けの研修の実施の支援」 32.6%などです。


 前回の調査と比べると取り組みが進み効果が上がっていることが見て取れます。
 報告書は次のような効果をあげています。
 【パワーハラスメントの予防・解決のための取組の効果】
○パワーハラスメントの予防・解決に取り組んでいる企業で働く従業員は、取り組んでいない
 企業に比べて、パワーハラスメントを受けたと感じる比率が低い。
○パワーハラスメントの予防・解決に取り組んでいる企業で働く従業員は、取り組んでいない
 企業に比べて、パワーハラスメントにより心身への影響があった者の比率が低い。
○パワーハラスメントの予防・解決に取り組んでいる企業で働く従業員は、取り組んでいない
 企業に比べて、パワーハラスメントについて会社関係に相談する者の比率が高い。
○パワーハラスメントの予防・解決のための取組を進めた結果、職場環境が変わる」や「職場
 のコミュニケーションが活性化する」のほか、「休職者・離職者の減少」や「メンタルヘルス不
 調者の減少」などの付随効果がみられる。

  「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」 報告書
  「活動報告」 2012.12.21
  当センター「いじめメンタルヘルス労働者支援センター」ホームページ・ご相談はこちらから
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